選挙民は、有権者は、もしかしたら冷めてきているのかもしれない。メディアが日本の政治史を塗り替える選挙だとことごとく煽っても。
今度の選挙をめぐるメディアの、大手マスコミの取り上げ方は、“過剰”とも思えるくらい膨大なものだ。
世論調査から始まって、各記事に至るまで。それに反比例するかのように、「誰に投票していいかわからない」という声も増しているような。
知人から電話があった。選挙に関して。ここ福島2区で誰に入れたらいいのかと。毎回選挙を欠かさない人。生真面目な人。
投票したいという人がいないのだという。そして言う。公約みたいなものがさっぱりわからないと。報道を見ていると余計わからなくなるという。
そういう人が多いのかもしれない。
「争点」がはっきりしていないのだ。掲げる争点は多岐にわたり、選択肢が見つからない。言っていることの意味がわからないと。
先日、世論調査の「体験」を書いたけど、その結果が、きのう、きょうの各紙に書かれていることだ。それにもっともらしい解説がやはり書かれていた。
そして笑えた。「世論調査の結果受けて、各党大騒ぎ」って記事紹介。だってさ、大騒ぎのもとを作っているのはマスコミでしょ。
自民、単独過半数の勢いのような、各紙同じような結果。
今度の選挙。それは「メディアが作り上げる選挙」だと位置づける。
いろいろあげつらうつもりもないが、解散直後の「世論調査」では、選挙に関心がある、投票に行くという人が、たしか90%に達していたはず。それを見て、マスコミは奮い立つ。
選択肢としての政策を問う。被災地の復興や原発問題は、やっとベストテン入りだった。マスコミは原発を前面に出そうと思案する。するとそれをワンイシューのようにした政党が出来あがる。三極ともてはやす。
政治家はマスコミに乗せられ、有権者は逆にシラケてくる。
選挙に関心があるという人は大幅に減った。と世論調査にはある。前回よりも10%も減ったとかいう。
さっき事務所に地方政治家が来た。勢い選挙の話。彼いわく。「投票率はかなりへるでしょうね」。あちこち廻ってみての実感らしい。
前回の衆院選。何かを変えたいと言う「ムード選挙」だった。政権交代に「夢」を託してみた。ところが「失政」続き。げんなりした人は、三極に向かうと思いきや、やはり“破壊”を恐れたのか。自民回帰現象ということか。
だから、あえて名付けてみよう。どっかの社説が書いている「自民党支持が増えているのは、行き場を失った有権者の消極的支持」だと。これは的を射た説かもしれない。
結局、「なんとなく選挙」「気まぐれ選挙」ってことになってしまうのではないかと言う危惧。あり得ると思う。
調査の通り、自民圧勝ならば、「先祖返り選挙」であり、「田沼恋しき選挙」になるのではと。3年間の「ロストジェネレーション」を伴った・・・。
自民党は選挙巧者だ。経験値が違う。安部から「怖さ」を消し、ソフトムードに転換させ、「奪還」だけを狙う。ほんと、この失われた3年間は何だったのだろう。
期日前投票はあるが、有権者は16日ぎりぎりまで投票行動に戸惑うのではないかと。どこも積極的支持は出来ないという中で。
メディアが作っているような選挙。「何がなんだかわからなくなった」みたいなことをつぶやきでぼやいている橋下が可哀そうにさえ思えてしまい。
「変えるということはもとに戻すということ」。それが最大の焦点なんだな・・・。とも。