「嘘と汗」。それは、ノンフィクションか小説の題名にもなりそうな、そして人間の醜さをテーマに据えた時、それは格好の材料になりそうだ。
そのノンフィクションライターとして名を上げ、その攻撃性、知名度ゆえに石原の寵愛を受け、都知事になった猪瀬直樹。
その男が、まさに醜態を晒らしている。
♪折れたタバコの吸い殻で、あなたの嘘がわかるのよ~~~♪。そんな歌が流行った時代があったが、さしずめ♪流れる汗の無様さで、あなたの嘘がわかるのよ♪ってことか。
この話、別に誰の腹が痛んだわけでもない。強いて言えば政治資金規正法に触れるかどうかの問題。
元東京人だったからというわけでもなく、原発事故問題以降、いやずっと以前から、福島対東京と言う構図で様々語られてきたこの国の姿。
そして、この「カネ」の問題は、政治の断面を如実に物語っているということ。
東京地検特捜部のリークに端を発したこの事件。飛躍するが、日本の首都、その統治機構を揺るがすようなリーク。それも、1年後には特定秘密に指定され、闇に葬られるのかな。
「5,000万円を必要としたのは、選挙後の生活に不安があったから」と言い出し、金に困っているようなことを言ったかと思ったら「知事報酬1年間返上」。生活に困らないのかい。不安じゃないのかい。子供騙しみたいなこというなよ、いや、子供も騙せない。「
その他、転々とする答弁。こんな「嘘つき」がジャーナリストって言われていたということ。政治家になれたってこと。
マスコミ人も含めて、ジャーナリストと呼ばれる人たちは、おおかた、攻撃、攻めにはめっぽう強い。時にはよってたかって攻めていく。逆に「防御」には弱い、いや、からっきしダメ。それが習性。
人間、一回嘘をつくと、もうその後は嘘をつき続けなければならない。嘘の上塗りって言葉があるかどうかはともかく。嘘で固めた人生。そんな人結構多くないかい。
「嘘も方便、ところによっては真ともなる」。オシャカさまもそう言っている・・・それは落語の世界。
「嘘も百回言っているとそれは真実になる」。有名な政界に残る“名言”の一つ。
だけど、猪瀬は“嘘のつき方”さえも知らない。
攻めに強く守りに弱い者が政治家になってはいけないのだよ。政治家は守りに強くなければ。反対勢力すら呑み込んでいく懐の深さを持たなければ。
だいたい、マスコミあがり、ジャーナリストあがりで大成した政治家はいない。
テレビ局の記者やっていたという奴がなんとか大臣になっているが、もうその存在も認識されてない。
ジャーナリズムの世界に身を置いたものは、その対峙する権力の大きさを知る。知ってその世界に入るか、立ち止まってそれを監視する、対立する地位に身を置くか。
分かれ道で、選択を間違えた人のなんと多いことか。いちいち例を引かないが。
猪瀬退陣コールを受けて、またぞろ、その後が取り沙汰され始めている。そこにはジャーナリストを名乗る人の名もある。
やめておきなさいよ。
まともなジャーナリストは権力の頂点には立てない、そんな“能力”は無いのだから。
福島は、多くの嘘に悩まされ、苦しめさせられてきた。いや、それはまだまだ続くはず。原発事故当時の民主党政権の数々の嘘。官僚の大量の嘘。学者の嘘、東電の嘘。
それらの嘘は、それをついた奴らの額からは流れない。付かれた方の福島の“汗と涙”に転嫁されてしまっている。
福島の子供たちがかわいそうだ。そういって泣いてみせた学者もいた。あれはきっと「嘘泣き」だったのだろう。
ジャズのスタンダードナンバーで有名な曲の名。
It’s a sin to tell a lie
日本語訳の曲名。「嘘は罪」。Sinとは宗教上の罪を言う。
「嘘をついたら閻魔さまに舌を抜かれるぞ」、よく言われて来た年寄りからの“伝言”。まだ、舌は残っているけど・・・。
2013年12月12日木曜日
“チェルノブイリ”異聞
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