2013年12月7日土曜日

「忘れない」、それが始まりなのだ。

特定秘密保護法が成立した。
大方のマスコミはその“暴挙”を言い募る。もちろん言い続けるべきだ。その法に対しての反旗をひるがえし、反対しつづけることを。

委員会の速記録、「聴取不能」。それをもってして採決の不当性を言う。普通の世界であるなら当然そうだ。しかし、国会は違う。何度も言うが国会は多数の力でなんでも出来てしまうところなのだ。

見せかけの議会制民主主義の“酔って”いたってはじまらない。マスコミ人の多くも、ある意味では「傍観者」だったのだ。

担当記者がそのおかしさ、あやしさ、疑問を書いても、同じマスコミ人としては、その場に“応援”に行かない限り「傍観者」を決め込んでいたのだ。

多数がなんでもできる国会。それはまったくよしとしない。しかし、そういうところであり、市井の民の声とは全く乖離したところで、事が運ばれるというのは、国会の中では当たり前のことだということを、多少知っているボクは、何も知らないキミたちのために、道を譲る。

現場に行ってこそ知り得たことの数々があることも。

連日、連夜。国会周辺に集まり声をあげていた一個人の方々。敬意を表する。運動のための運動、特定のイデオロギーに支配されたのではない一個人、一個人に。

あなた方は法案成立によって、その戦いが負けたのではない。いや、むしろ勝ったのだ。

扱いの大小はあっても、あなた方の声がマスコミを動かしたともいえる。

法案成立によって安倍は勝ったと思っているのだろうか。信念を貫き通したことに快哉を叫んでいるのだろうか。

安倍自民党、公明党というヌエにような政党は、実は大きなものを失ったのだ。

支持率は確実に低下するだろう。もう、こんな国会運営は出来なかろう。とてもじゃないが「改憲」なぞ持ちだせるわけもない。

失ったことの大きさに安倍は気付いていない。

与党の中でさえ疑義を持っている人たちもいた。反対に回ったものもいた。党議拘束という名のもとに“沈黙”を貫いた人達もいた。

国会が終わる。議員たちは選挙区に帰る。どういう反応を選挙民から示されるのだろうか。もちろん、大歓迎という人たちだっている。それを、心地よい声だけを選挙民の声だと思うなよ。

舐めてかかってはいけないのだ。

2013年12月6日。この日に何があったのか。この日何をしていたのか。
国会前に行っていた人は、そのことを決して忘れてはならない。

自民党の幹部がこう言っていた。自分の経験に基づいて。
「なぜ採決を急ぐのか。選挙は3年後だ。それまでに国民は、このことを忘れるからだ」と。

決して忘れない。一生かけてもそのことは記憶にとどめる。その覚悟をなくさないで欲しい。忘れないことが「始まり」につながるのだから。

法案は1年以内には施行される。

声を上げ続けるべきだ。傍観者だった人達も、今、そのことに気づいたら傍観者であることをやめるべきだ。

たとえ、秘密に迫ろうとして“逮捕”されたとしても、マスコミ人は書くことに躊躇すべきじゃない。委縮なんて言葉を誰が持ってきたのか。

委縮するのは権力の側であり、我々では無い。

国会に目を奪われている間に、東電は重大な発表をしている。1Fの主排気塔の下部でこれまでに最高値の毎時25シーベルトの放射性物質を、周辺の測定値からの推計として発表している。案の定、メディアの扱いは小さい。この数値は20分も浴びれば死に至る数値。それへの対策はお手上げ。ベントによって残った放射性物質が、配管に付着しているとの見解。どうするのか。どうしよも無い。お手上げ。

原発事故は福島県の中に閉じ込められ、「忘れられよう」としている。

被災地でも「忘れられている実感」の声を多く聞く。

そして「忘れたい」「もう放っておいて欲しい」という声さえも聞こえるようになった。2年9カ月と言う月日の経過で。

3年後の選挙まで「忘れない」という意識と覚悟を持ち続けられるのか。持たねばならない。それが、あの国会前に行った者たちの責務だ。いっときの”運動“はなんの意味も持たないのだ。

どさくさついでというか。経産省は「エネルギー基本計画」の原案をまとめ、原子力発電を「重要なベース電源」と打ちあげた。

安倍の思い通りに事は運んでいる。安倍に意見、異見をいう自民党の議員はいない。

忘れないためにはどうするか。語り続けること。そこであったことを言い続けること。そして多くが傍観者であることをやめること。

そう、もう、あなた方は多くの事を知ったのだから・・・。

“チェルノブイリ”異聞

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