何十年もその世界でメシを食ってきた者が、なにを言うのかといわれそうだけど・・・。
年末年始、この時期ほどテレビがつまらない時期は無い。年末・年始特別編成。
ゴールデン、プライム。どの局も言い合わせたように長時間の特番。
どれもこれも同じような。
要するに見るものが無いのだ。見たいものが無いのだ。視聴者はそれを望んでいるのだろうか。
ニュース番組はとっとと無くなり、ローカル局も“年録”と称する一年間の振り返りをやって、昨日からはほとんどニュースの時間は無くなった。
特別編成だからこそ、大震災のこと、原発事故のこと、今の日本のこと、これからの日本のこと、それを多くの人が見ている時間にやるべきだと思いうのだが。
多くの番組は、いわば「撮り溜」。正月になるともっとひどい。前年に収録していたものばかり。晴れ着を着て、実感の無い正月番組。
テレビ局の「都合」が、そう、誰もが人並みに休みたいという、休めせねばならないということで、「作られていたもの」ばかり。
内情を知っているだけに余計にイライラする。
年末年始であろうともニュースは駆け廻っている。伝えなければならないニュースは山ほどあるはずなのに。と思う。
NHKに至っては、あまちゃん、紅白、来年の大河ドラマ。それにご執心だ。
見るものがないのについているテレビ。それも視聴率のうち・・・。
テレビ局の都合を押しつけられたような視聴者は、その狭い選択範囲の中で、ひたすら“リモコンに操作されている”ような。
新聞の休刊日なるものもそうだ。勝手に休刊日を作っているし。休刊日であろうとも、伝えなければ、論じなければならないことは多々あるはずなのに。
しかも最近は、増えた休刊日の「言い訳」「口実」すら告知しない。
少なくとも知り得る限り、政治の世界では常に念頭に置かれていたのがNHKの夕方7時のニュース。それを目指して、意識して、たとえば組閣が行われていた。
新聞休刊日を意識して、それを“利用”して、ある種の“意図”を持って“情報操作”が行われていた。
読者は、一日遅れの新聞記事に関心をそがれる。
そして年明けの新聞記事は、多くが年内に書きためておかれたもの。
それらこれらが「ネット族」を台頭させるんだよな・・・。
テレビの年末、年始特別編成だけではない。4月と10月の番組改編期にも、長時間のスペシャル、ほとんど無意味な、バカげたバラエティ番組を垂れ流す。
誰が考え出したのか。こんなテレビの在り方に現役時代も「異」を唱え、「排斥」されて来たものだが。
知りたいことはたくさんある。無意味な時間はすごしたくない。3・11後、テレビは変わるだろうと淡い期待を持った。でも、結果、変わっていない。あの時以前と。
伝えなければならないことは山ほどあるはずだ。伝えるべきことを伝えない、伝える時間を持ち得ないテレビってなんだい。そう言いたい。
デジタル化によって基本的にはBSも見られるようになった。でも、BSだってどこか手抜き。
あさって大晦日が怖い。「国民的番組」、紅白歌合戦なるものが控えているから。
紅白に出場できるかできないかで一喜一憂している歌手や事務所。
「くだらない」。その一語でテレビを忌避している人もいる。でも、元テレビ屋はやはりテレビが気になる。
いい加減に「マンネリ」から脱却してはいかがかと。
他言を使いたくはないが、テレビの終わりの始まり。そう言ってみたくもなる年の瀬・・・。
例えばね、年末年始で特別の宿泊許可が下りた原発避難民の人達の生活ぶりを追ってみろよ。もちろん取材拒否だって在り得るだろうが。
小さな家族の物語の中に、小さな安堵を味わっている人の言葉に「真実」が隠されているはずだと思ったりもするのだが。
2013年12月29日日曜日
“チェルノブイリ”異聞
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