2013年2月27日水曜日

双葉のこと

「日本にある原発のうちで、県名を発電所につけているところは何処でしょう」と尋ねてみた。講演で。手が挙がらない。仕方ないから答える。「福島と島根の二県だけです」と。

福島は今や、いやもっと以前からそうだが、イコール放射能汚染。イコール原発とされている。

例えばお隣の宮城県は女川原発。東通、浜岡、泊・・・。皆、その他町村名。東通に至っては「とうつう」と読む人もいるとか。
福井に至っては、それは高速増殖炉だけど、もんじゅであったりふげんであったりの菩薩さま。
茨城は常陽・・・。

東京電力福島第一、第二発電所があるところは双葉郡という。もし、建設当時「双葉原発」を名付けていたら、原発事故をめぐる様々な問題が「福島」という言葉で括られていただろうか。放射線量汚染の極めて低い会津地方までが、その“対象”とされていただろうか。
なにも「双葉地方」をどうこういうものでは決して無い。そこに居た方々には、こんなことを言うと申し訳ない気にもなるが。
「福島原発」という名称があったゆえに、多くの福島県民が“苦しめられている”ということ。

福島原発の名付け親が当時の県知事、大竹作摩氏だったかどうかは知らないが。福島県を全国に“有名”にしたかったのかどうかも知らないが。

福島県の浜通りにある双葉郡。8町村。双葉という二つの葉。それは、明治の初め、それまであった標葉郡、それは相馬氏の流れをくむ中村藩の所領、そこと楢葉郡、岩城氏所領の藩、そこが合併して出来た郡。

そして、標葉郡には富山県からの開拓入植者が多かったとも聞く。

戊辰戦争の後、今の福島県という地方は、中央政府、明治政府によって、さまざまな意味で“攪乱”されて来た。行政区画の線引きにしても然り。
郡山という貧農の地は安積開拓によって発展したのだが。

原発事故。20キロ、30キロ。警戒区域、帰還困難区域。時の政府の、それこそ、どこが“起点”なのかわからない、実測なんてありえない、机上の地図でひかれた線引き。自分の家の半分が線で分けられる。隣ともそうだ。杭が打たれているのか、バリケードが張られているのか、地面にチョークで書いてあるのか。

ばかやろ~~、ふざけんな!!。

双葉郡双葉町。その町もかつては標葉郡に所属していた二つの町と村が合併し標葉町となり双葉町に“改名”した。地形的には元は相馬藩、伊達藩の系譜となる。

双葉町が揺れている。井戸川町長の不信任、辞任。そして町議選、町長選。役場を埼玉県加須市から、いわき市に移す作業は進められているが。

双葉町には、かつて知り合いが何人かいた。その町にも行った。

井戸川町長と直接面識は無い。町議も知らない。町議選はあす告示される。
井戸川町長(前というべきだが)に対する毀誉褒貶さまざまだ。

町のホームページやメディアが伝える彼の「思い」。そして、彼から感じる反骨精神、反権力的姿勢。共感できる部分もある。

国や県、東電。敵は「大物」だ。だからこそ双葉8町村が一体となって行動しよう、要求しようという主張ややり方はわかる。「乱して」はならないというたの首長の主張も。

首長の在り方、そのリーダーとしての在り方。さまざまだ。

しかし、「双葉町」に、この原発事故の“象徴”を見る。まさに流浪の民であったことを含め、今なお、騎西中学の校舎に“避難所”のまま暮らしている住民がいることを含めて。そこにいるのはもちろん、全町民ではないが。県内の他所に避難している人達も多いが。

井戸川氏は再び町長選に立候補する。町議からも出る。県外の人達も、それは“火中の栗”を拾うことなのかどうか、動機は定かではないが、7~8人が選挙に出る。

それらを含めて、同じ福島県人として、それをどう見るのか。

数日前、会津若松の仮設に住む大熊町の公務員としばし話をした。
「国が何も決めない」。それが一番の原因なんですよ。彼は静かに話していた。
目には怒りの光をみなぎらせながら。

双葉郡をどうするのか、双葉郡はどうなって行くのか・・・。当事者でないボクが物を言うべきかどうか。

その答えを見つけるためにも、ちょっと触れた、彼の地の「歴史」・・・。

福島県人は、福島を知らねばならないと。

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