これから東京に行ってきます。震災以来はじめて乗る東北新幹線。
目的は「講演」です。きょう思いついて東京に行くのではありませんが。
この講演、そもそもは福島県の白河にあるリゾートホテルで行われる予定でした。ところが震災、地震でその施設が使えなくなったとかで、東京の如水会館に変更になったものです。
日本のインフラ事業を担う業界団体が催すもの。「テレビ」の話をしてきます。穏やかに(笑)。
余談。如水会館。懐かしい場所です。たしか中国の古典、礼記にある言葉。「君子の交わりは淡き水の如し」からとった名前のはず。大学は神田。神保町界隈、一橋界隈は”地元”だった。
束の間、東京の様子を体感してきます。
それにしても新幹線。震災と機をいつにするかのように開業した九州新幹線。そのCMが話題になっているとか。
ユーチューブで見られます。http://www.youtube.com/watch?v=UNbJzCFgjnU
フルバージョン。鹿児島中央駅から博多駅までを疾走する新幹線。カメラは車内にあって沿道で手をふる人達の姿、姿。延々とその人の波が映されています。タレントはいない。多くの普通の人達だけ。
CMっておかしい。このCMは九州のテレビ局でしか放映されていません。「祝」だからか。昔、JR東海にあった。「そうだ、京都に行こう」。これもJR東海管内だけ。京都の人は見ていた。「京都にいるのに、京都へ行こうっていうCM変だよね」。そんなこと言った人がいた。
東北新幹線復旧。JR東日本はたぶんまだCM打ってない。どんなもの作るのか。やはり「はやて」か。
でね、この九州新幹線のCM、確かにCM界の話題としては面白い、優れた作品ということになるんでしょうが、九州への誘客にも役立ちそうなんですが。放映は九州だけとか。
そして、このCM。東北から見ると辛い。車窓からのカメラが捉える人々の光景。傘を振っていたり、ビルや屋根の上から手を振っていたり。高台の道から手を振っていたり。何百人もが”動員”されて。
あの震災直後、大津波に襲われ、難を逃れ逃れた人達が、助けを求めて病院の屋上や建物の屋根からヘルプと書いて紙をかざし、傘を振り続けて、助けを求めていたあの光景が重なってしまう。ビルの上からここにいるぞと手を振り、叫んでいた人達の姿も・・・。子ども達も・・・。笑顔があるかないかの違いだけのような。カメラはヘリからそれを撮ることしかできなかった・・・・。
CMの締めのコメント。「九州が一つになってありがとう、九州は一つになった。九州から新しい力が生まれます」といった具合。
散々見さされた、聞かされたACのCMが重なる。コピーが。日本は一つです。日本の力を信じてる。空虚にしか聞こえなかった呼びかけに。
懸命に東北新幹線を復旧させたJR東日本さん。経営は苦しいだろうけど、いいCM作ろうよ。作ってよ。広告会社の英知も結集させて。そして全国で放映させようよ。「そうだ、東北へ行こう」と思わせるようなCMを。
そんな思いを胸に、その新幹線に乗ってとんぼ返りしてきます。講演ではCMの話ももちろんしてきます。そして言っちゃおうかな。「テレビの力を信じてる。ボクはそう思う」なんて。
2011年5月12日木曜日
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