去年、3・11後。数日後からは世の中は「義捐金」に沸いた。多くの善意の。
災害関係の催しでは、必ず義捐金箱が置かれ、各メディアはこぞって義捐金を呼び掛けた。タレントまで動員して・・・。
それはその後の台風災害や大雨災害でもあった。
義捐金の大方は日赤に集められる。それを配分委員会というところが、各自治体単位で配分する。それが個々に行くはず・・・。
この義捐金の話は、もはやメディアが報じ無くなった「3・11」関係の話題の一つ。
NHKも含めてテレビ・新聞。あれだけ呼びかけて集め、毎日のように幾ら寄せられましたってやっていたのだから、その行方を報じるのも当然の義務だ。
でも報じ無い。関心が無い。
去年の今頃、ここでも書いたけど、配分委員会が機能せず、自治体も機能せず、日赤に眠ったままになっていたような義捐金。総額は定かではないが、3千億円は超えていたはず。
あれから1年半。いきわたったのだろうか・・・。
仮に全部配分が終わり、個々人に行き渡っていたとしても、今では遅すぎるってことじゃないか。一番カネを必要としていたのは去年の今頃。
孫正義の一億円って話もどうなったのだろうか。もはやメディアのネタにならない。
去年、自分たちの生活を切り詰めてでも被災者にと送った義捐金の多く。それがどこに、どう使われたのか。気になっている人もいるだろう。
熱しやすくて冷めやすいっていうのか。ケツを拭かないっていうのか。
配分委員会の在り方含め、この国の「システム」の弱さが露呈されているような。
そして関心は、カネに関して言えばだが、復興予算なるものの配分や、取り分に移っている。
先日のNHKスペシャル。「追跡 復興予算十九兆円」。
「復興は進んでいない。お金は一体どこに使われているのか。」今、被災地から切実な悲鳴があがっている。
大震災後、被災地復興のためつぎ込まれる巨額の“復興予算”。
増税を前提につぎ込まれることになった“復興予算”はいったいどのように流れ、使われているのか。
番組は“巨額のマネー”の行方を追い、その実態を徹底検証。
NHKの番宣のコピー。番組を見て驚愕した。その金は、およそ被災地とは関係ないところに回され、使われている。
予算付けをしたのは役所。そこに政治家が陰に陽に“介在”している。番組ではそこまで言ってないが。
貰う方も貰う方。その予算の「性質」を知っていながら、便乗する。なんとかかんとかの名目つけて。
この国の統治機構は完全に狂っている。
予算とは税金で作られるもの。
だから消費税増税反対と短絡的につなげたくはないが。何にしても被災地は、原発被害地は金が欲しいのだ。必要としているのだ。働く場所が欲しいのだ。
善意が善意として機能しない。税金が目的外使用される。
まるで「目くらまし」のように、政治の世界は外交・防衛・領土を前面に出し、国民の関心をそこに集めようとする。
原発再稼働反対に始まり、原子力安全規制委員会問題に、声をあげる人達の関心は向く。それを正義として。
今、この国の「正義」は、悩み苦しむ人達を蚊帳の外にして、踏み台にして、その議論が交わされているような・・・。
そして、亭主のような口説の徒ではなく、黙々とボランティア活動に専心している人達もいる。あらゆる不条理を体感しながら・・・。彼らはおそらく、「正義」を口にしない・・・。
2012年9月12日水曜日
“チェルノブイリ”異聞
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