2012年9月25日火曜日

政界とマスコミの“癒着”

“癒着”なんて言葉を使うと、週刊誌記事の見出しみたいであり、仰々しいが、ま、単なる“出自”、“人脈”とでも思ってください。

民主党の人事、自民党の総裁選の顔ぶれ見ていて、ふと思いついたこと。
政界にマスコミ出身者がいかに多いかということ。

幹事長代行になった安住は前歴NHK記者。石原展光は日本テレビ記者。だからどうだって言うわけじゃないけど、政治家の“評価”にはその前身、経歴がよく語られ、それをもってその人の立ち位置がうんぬんされる。メディアはそれを好んで書き、判断材料とする。たとえば輿石、元日教組というように。菅は市民運動家だったというように。それはその通り。若いころ叩き込まれた“精神”はそう簡単に抜けるものではない。政治家としての判断の基準に前歴、経歴は微妙に影響している。

しかし、マスコミは書かない。その人がマスコミ出身者だから、どうだこうだという評価はしない。

咄嗟に浮かぶだけでも、マスコミ上がりの政治家はかなりいる。小宮山洋子はNHKのアナウンサーだった。三宅雪子はフジテレビ記者だった。
おっと、いた。テレビ朝日アナウンサーだった丸川。

今や派閥の長になった額賀は元産経新聞政治部記者。中川秀直は日経の経済部。
大島理森は毎日、いやいや、まだまだ続々といる。東北放送のアナウンサーや、読売出身も。

「永田町マスコミ会」なんて作ったら、大政党が出来るくらいの人数。

昔、佐藤政権の重鎮だった橋本登美三郎。NHK出身。NHKの中に「西湖会」というのを作り、NHKの地元をはじめとして数多くの職員を就職させた。
海老沢勝二はその筆頭。海老ちゃんは政治家にはならなかったが、影響力は大だった。

政治記者をやっていた時、永田町を徘徊していた時、知り合いの、友人の記者が、政治家になることを志した。政治家の方から乞われた人もいる。
取材者として永田町を見ている時、その政争、政局の渦中に身を置いていると、その面白さに惹かれる。権謀術数、駆け引き、騙し合い。面白いのだ。
そして、また知る。権力の魅力を。
そして政治家になって行った人を多く知っている。

いきなり思い出す緒方竹虎。朝日新聞の主筆から政界に転じた。吉田内閣で枢要な地位を占めた。いきさつはいろいろあるだろう。
当時の言論人、いわばマスコミは、国を思うという視点に於いて、政治と表裏一体であったような。

読売のナベツネさんは、今でも政界に対して甚大な影響力を持っている。朝日新聞からテレビ朝日に転じて来た三浦甲子二も凄かった。政界人脈は半端ではなかった。中曽根内閣、大平内閣の誕生に陰で“暗躍”していた。逸話を語り気はないが、彼の政治行動は知悉している。取り次ぎのようなことまでやったから。

今の政治家とマスコミ幹部との関係は知らない。テレビで見ていた限り、毎日出身の、たぶん、現役記者からすれば「とんでもない」と思っているかもしれないが、三宅久之さんだって、影響量は大だった。

ある意味、ある時、田原総一朗も、政界の内部の人間であるという傾向すらある。

マスコミは政治家になるための“登竜門”であったのか。手段であったのか。
それは松下政経塾の存在とどこか似ている側面がある。
松下塾は、幸之助さんの思いを他所に、いつしか“登竜門”、資格を得るための存在と化した。そして政治家の器は限りなく小さくなり、マスコミも宙ぶらりんのような状況。

善し悪し論ではなく、ふと思ってしまった“人脈図”。

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