尖閣に端を発した中国各地での暴動、略奪、騒乱。
メディアが伝えているのは一部の光景であり、刺激的映像であり、大方はさほど変わりは無いのか。
メディアに登場してくる解説者は、こぞって言う。貧富の格差による不満のはけ口である。毛沢東の写真を掲げているのは、反政府的色彩がある。などなど。
そして中国国内の言論、メディアを統制管理することで、批判の矛先が政府に、共産党に向かないようにしているのだという。
不満のはけ口としての領土問題。そう簡単な図式では語れないような気がするのだが。
政府や党によるさまざまな思惑に民衆が利用されているだけなのかもしれないが。
船は公船含め、尖閣周辺に来て“威嚇”する。
大使館を含め、外務省も含め、どこかのレベルでは中国政府との“交渉”は行われている。しかし、それがさっぱり実を結ばない。
総裁選を控えた自民党は、声高にこの事態も含めて、政府の外交能力の無さを攻め、防衛強化を言う。
たしかに野田政権に一番不足しているものは外交能力かと。いわゆる「パイプ」を持っていないこと。その能力が誰しも欠けていること。
40年前、北京にいた。日中国交正常化交渉。田中首相、大平外相、二階堂官房長官・・・。
なんか五里霧中の数日間。人民大会堂の晩さん会。カンペ~、カンペ~の連続。出される大量の料理。あまる・・・。どうするか聞く。「豚の餌にする」。そんな答え。当時の中国国民は飢えていた。冨者は最高幹部だけのような。多くに人民は貧者だったはず。
「喧嘩は終わりましたか」の毛沢東発言、「頭の黒い猫、白い猫」の話し。
そして「井戸を掘った人」としての田中角栄。
日中共同声明・・・。
角栄は外交を得意としている人では決してなかった。その面白さに惹かれては行ったが。通産大臣当時、懸案だった日米繊維交渉をまとめたのがそのきっかけだったのかも。
日中国交回復。事前の根回し。その前の佐藤栄作が試みた「親書」の継承・・。
とにかく田中は中国にとって「友人」となった。
総理退陣後も訪中。歓迎。
もし、今、両国にパイプが無く、外交交渉が進まないのであれば、特使派遣も一つの妙案。そしてその特使に外務委員長をつとめる田中真紀子を充ててはいかがかと。
もし、今の中国の政権に「井戸を掘った人」の倫理観が残っているなら、あながちないがしろには出来まい。毛沢東の写真を掲げる人達も納得できるのでは。
国内に問題を抱えている時は外敵を作り、それに向かうために国論を納める、まとめる。これ毛沢東的手法。
今もその手法なのか。おそらくそうなのだろう。
オスプレイに始まり、石原発言を契機にした尖閣国有化。官邸前のデモから目を“外交”の向けさせる“めくらまし”だったのか。野田にそんな“知恵”があるとも思えないが。
福島はおろか、将来の原発政策についても、尖閣の、中国の暴動騒ぎの陰に隠れてしまっているような気がしてくる。
人選含めて、亭主の“妄想”・・・。
2012年9月19日水曜日
“チェルノブイリ”異聞
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