2013年6月26日水曜日

「トリチウム」って何だい?


子供の頃、ビキニ環礁でアメリカの水爆実験があったころ覚えた放射線の“単位”はキューリーだった。
いつの頃からかシーベルトに変わった。
原発事故後、それにベクレルという“単位”が加わった。

原発事故が撒き散らした放射性物質。最初はヨウ素が気になり、次いでセシウム、その後ストロンチウム・・・。
ヨウ素は甲状腺癌の危険性を招くとされた。セシウムは・・・。ストロンチウムは骨に・・・。

放射性同位元素がいくつあるのか。素人はわからない。何がどう作用するのかもわからない。ただ、「放射能」「放射性物質」ということだけでおびえる。

おととし、盛んに言われたたとえ。「これくらいの放射性物質ならばレントゲン検査の何回分だ」「CT検査の何回分だ」。
例えに使われたレントゲンやCTを“拒否”する人達もいた。今でもそうかもしれない。

癌の放射線治療。なんという名の“元素”が使われているのだろう。害を及ぼす放射性物質と治療に使われる放射性物質。

食品検査が始まった頃から使われだしたN.D.「not detected」の略。未検出。
NOではない。NOTだ。未は「未だ」とも読める。
一定の基準値以下っていうこと。完全に放射性物質が無いということではない。

NDは食品を扱う人たちの間では「日常外国語」になった。

そして、先日1Fの港湾内の海水から検出されたトリチウム。以前からその“物質”は検出されてはいたが、濃度が高いという。
あの汚染水除去装置の「アルプス」でもこれは除去出来ないという。

で、このトリチウムなるもの、水素の放射性同位体、天然にも存在するが、原子炉の冷却水で生じるという。水として存在するため、セシウムのように吸着させて除去するのは難しいと。

体内に取り込んだ場合でも比較的早く排出される。

この4行、新聞記事の引用。トリチウムは海にある。魚にどう影響するのか。
体内に取り込むとは魚を食べた場合なのか。どういう危険性があるのか。比較的早く排出されるとはどういう状況を指すのか・・・

さっぱりわからない記事。

どっかには「トリチウム」なるものについてのわかりやすい解説記事があったのだろうか。素人でもわかることはただ一点。大気中に拡散されたものではないということだけ。1Fの中に、その近くの海中から検出されたということだけ。

体内吸収とはどういう状態で起きるのか・・・。

これからは学校教育のカリキュラムの中に、放射線のこと、原発のことを盛り込まなければならない。少なくとも放射性物質のことをきちんと教えなければ。

原発事故は福島で“終わった”わけではない。再稼働。いつ、どの原発で起きるかわからない事故。その時に備えて「正しく知っておく」。それが大事なのだと。
放射線について世界一詳しい子供たち。それが日本の子供たちに要求される時代・・・。

「正しく知って正しく怖がる」。事故後言われた言葉。正しく知らせるってことは、わかりやすいって意味も当然含まれると思うのですが。

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