2014年10月2日木曜日

昔あった「1億円のばら撒き」

竹下内閣時、地方の時代と言われていた頃か。「ふるさと創生事業」というのが目玉政策になり、全国各市町村に1億円ずつが配られた。

地方に活気を取り戻そうということか。地方の振興を図ろうということか。

結局、その1億円はなんの功も奏しなかったように記憶している。
使い道は笑うしかなかった。降ってわいたようにもらえた1億円。

山形県の何処かは「風力発電」に使った。これは立派だった。笑えるのは“金塊を買った”。“村営キャバレレーを作った”。“町の特産品のモニュメントを作った”。
“自治体が貯金した・・・”。

受け皿となった自治体の方が、使い道を知らなかった。わからなかったということか。

ふるさと創生、カネはばら撒かない方がいいという過去の経験。

竹下が田中派を割って作った派閥の名称は創政会。

「そうせい」という啓示があったのか(笑)。

日本創成会議というのが「3・11」後に出来た。
学識経験者、産業界、労働界の有識者を集めた会議。
そこの人口問題分科会の増田座長が出した「消滅都市」という“レポート”が物議を醸している。

今にして思えば、安倍内閣が打ち出した地方創生。石破を担当大臣に据えた。
その地方創生政策の地ならしとしてのレポートとも受け取れる。

安倍は、所信表明演説で、今度の国会を「地方創生国会」と名付けた。そして言う。

「人口減少や超高齢化など、地方が直面する構造的な課題は深刻だ。しかし、若者が将来に夢や希望を抱き、その場所でチャレンジしたいと願う。そうした若者こそが危機に歯止めをかける鍵だと確信している。
若者にとって魅力ある町づくり、人づくり、仕事づくりを進めるために“まち・ひと・しごと創生本部”を創設し、これまでとは次元の異なる大胆な政策をとりまとめ、実行する」と。
「この国会に求められているのは若者が将来に夢や希望を持てる地方の創生に向けてスタートを切ることだ」とも。

その言や善しだ。しからば何を為すのか。それはまだ見えない。

使い道を地方自治体に任せるといったばらまき型の補助金や交付金はごめんだ。
かつてのようなバカな使い方はしないだろうが、補助金や交付金は使ってしまえば終わりとなる。ゼロに1を足して、1がなくなれば、またゼロ・・・。

具体策が出るのはまだ先のこと。来年だ。

他の「懸案」を置いておいて、地方に言及する。それは地方統一選に向けての票集めだと政治評論家は言う。

しかし、国が「地方創生」と言い出したことは間違いない。「創生」の意味はともかく。

極論言えば、地方の「ボスたち」、いわば中年以上。やはり、カネを欲しがるだろう。
若者は違うようだ。補助金を貰わないで、自分たちの力とアイディアで町を村を立ち上げようとしている。

地方創生という「ムード」が高まった中で、受け皿である地方が、何を考え、どう出るかも焦点だ。国頼みの地方創生は無いはずと。

実際に、岩手や宮城ではそういう機運が生まれていると聞く。

福島・・・。きのう、川内村の大方が避難指示が解除された。
喜ぶ人もいれば、帰還を受け入れない人もいる。
帰村率は2~3割だという。それも高齢者が主。
すでに再開されている学校もあるが、村から子供のはしゃぐ声は聞こえないと言う。

子供やその親は、他地区に住む。県外避難者もまださほど減らない。

ひとくくりに言われる「地方創生」。その中からは「福島」は除外視されているようにも思えて・・・。

きょうの感想かな。

それにしても御嶽山の爆発。まだ結末は無い。不明者だっているという。無情の雨が降るともいう。

これが、あちこちの火山に連鎖反応をおこしていかなければいいなと。火山列島であることの再確認・・・。

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