2014年10月21日火曜日

「原発」は知事選の焦点になっているのか

一昨日の日曜日、福島県知事選の期日前投票に行ってきた。意中の候補の名前を書いてきた。
人出は多かったように見えた。

係り員の人に思わず聞く。「多いですね」と。「いや、きょうは日曜だからですかね、昨日までは余り人は来なかったです」と。

出口にはNHKの腕章を巻いた、記者ではなかろう。集金人のような人が出口調査をやっていた。声を掛けられたが、丁重にお断り。出口調査のために投票に行ったわけでもないし。

どうも、回りの知事選への関心は低いようだ。知らない人もいる。何の選挙かも知らない人がいる。立派な職業の人だが。

今度の知事選。大事な選挙だ。県民にとっても、中央政界にとっても。
だけど県民の反応は「つまらない」「わかりにくい」とくる。

心の奥底。誰がなっても同じってこと。「意味が無い」という人だっている。特に県外避難者には。

なぜ「わかりにくい」「つまらない」のか。争点がはっきりしないからだ。

県外の人から見れば「原発」が大きな焦点だと思っているはず。しかし、それは争点にはならない。なぜか。皆が同じような事を言っているから。
「全基廃炉」では一致しているし・・・。

そして関心がある人達も、候補者の選定の経緯を知っている人達は、その「ばかばかしさ」に呆れ返っているし。

だから、争点は「継続」か「刷新」かということにならざるを得ない。これとても分かりにくい。

3・11後にあった地方選。現職の市長や町長が軒並み破れた。では何か変わったのか。変わっていない。そんな“トラウマ”さえも県民にはある。

候補は6人。いずれも新人。継続とは“前知事”から後継指名された副知事のこと。

自民、民主、社民、公明。相乗り。組織で言えば「浮沈艦」だ。
1強5弱なんて言われてもいる。

1強多弱。国会を表する言葉と同じじゃないか。

勝つ奴が決まっている。そんな報道ぶり。決まっているなら意味ないじゃん。そうなる。投票に行かない。投票率は下がる。

投票前の予測調査は、ある意味、世論の誘導だ。

だから出口調査には協力するのをためらった。

原発が焦点にならない。投票率は低い。結果が出てから、また福島県は県外からの“揶揄”の対象にされるのかもしれない。

ネット選挙が「解禁」されてから初めての県知事選。大方の陣営が、“勝手連”を含めてネット運動を活発化させている。

大袈裟に言えば、タイムラインは大方、選挙運動で埋め尽くされているような感あり。
候補者の訴えよりも応援団の方が頻度が高い。
ご多聞にもれずコメント欄には批判や誹謗もある。

東京都知事選を思い出す。ネットが活用された。ネットを見る限り、反升添陣営の方が有利に思えた。しかし、結果は升添。

やはり、県知事選と雖も、地道な「どぶ板」が必要なのだろうか。

無い物ねだりではないが、唯一の原発被災県。「原発」について、全国、全世界に発信するような人であって欲しいとも思うのだが。

民主主義とは本来、「わかりにくい」ものだ。しかし、それ以外に手段を持たない。つまらなくても、わからなくても「県意」を示すべきなんじゃないかな。

いまや「原発問題」そのものが、福島県にとっては「わからない」ものになってはいるのだけど。

“チェルノブイリ”異聞

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