以前にもこの歌を引用したかもしれない。
沢田研二が歌っていた♪時の過ぎゆくまま♪にという曲。
阿久悠の作詞。その一節。
「からだの傷ならなおせるけれど、心の痛みは癒せはしない」。
「復興」という言葉や姿に出会うたびに、この歌が重なるのだ。
復興。確かに建物は復旧した。町並みは変わったが、それとても復興なのだろう。道路もなおった。
あれから3年半以上の歳月、時の経過・・・。
形あるものは復興にと進んでいるのかもしれない。体の傷は治ってきているのかもしれない。
しかし、汚れた土は・・・。大地と言う体は・・・。
福島原発。1号機の「解体」に向けた作業が始まった。そこからあらためて放射性物質が飛散するのかどうか。
解体して、核燃料を取り出さない限り「廃炉」にはむかえない。
そこには、「期待」と「不安」と「悩み」が錯綜している。
原発作業員の“被ばく問題”も然りだ。
「原発さえなければ・・・」。多くの人が思っている。
家族を亡くした。家族が離散した。子どもの“被ばく”に悩む人。ストレス。
未だに仮設に暮らす人・・・。
こころの傷を負った人。癒せない悲しみ、苦しみ。
仮に40年で廃炉が達成できたとしよう。その40年後、こころに傷を負った人達は、癒されているのだろうか。
癒されないだろう。その傷は時が過ぎゆく中で、ますます心の襞の中に埋め込まれていくのかもしれない。
いまだもって、福島をめぐり、原発とカネの事が言われる。あの地の住民に対してだ。
原発とカネと地元。そのある種の「負い目」とてこころの傷になっている。
眼に見えないこころの傷。痛手。誰が癒せるのか。自分か、他人か。それとも時の経過か・・・。
時々、「人間の復興」とか「こころの復興」とかを書く。県民に向けて書いているのか。いや、この国全部の人へという思いがある。
この地にいて、あの日に出会った。それなりの心の傷は残ったままだ。
癒すつもりもない。抱えていく。
心の傷は肉体にも影響する。それでも、それから逃れられない。
歌に託した冗談で紛らわすか・・・。♪傷だらけの人生♪と言って。
それとも♪時の流れに身をまかせ♪とでも唄えばいいのか。
昔の歌にこころ惹かれ、今を重ねる。それっておかしい事なのかもと思いつつ。
2014年10月24日金曜日
“チェルノブイリ”異聞
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