2014年10月3日金曜日

「噴火予知はギャンブルのようなもの」

午前中、アジア大会のマラソン中継を観ていた。突然、携帯電話が「異音」を。
緊急地震速報。三陸沖震度4と。

鳴ったり鳴らなかったり、“気まぐれ”な地震速報なんだけど。

東日本大震災は、大きな地殻変動をもたらした。地震列島、火山列島としての日本。あの大震災はマグマの変動に大きな影響をもたらしていると思う。
余震なのか、他の地震なのか。

長野県の栄村の直下型も、その余波ではなかったのかと思っている。

地震予知連絡会は相模湾、東京湾、南海トラフの異常による地震を言う。

火山だって、地震の影響で動きを見せる。富士山の爆発だって最近しきりに言われていた。

地震も爆発も、いつ、どこで起きてもおかしくないという今の列島なのじゃないかと。距離的に近い、遠いの問題ではない。

いまだ御嶽山の惨事は収束に向かっていない。あらたに16名の不明者がいることが判明した。

救出にあたる自衛隊、警察、消防の疲労も、労苦も大変なものだ。きょうの御嶽山は雨。捜索活動は中止だと言う。

自然災害から逃れる方途はない。突然の無念の死。水中に呑み込まれての死。火山灰や噴石にとっての死。
その状況だって酷似しているような。
逃げるに逃げられなかったということ。

「3・11」はこの国の姿、有り様を大きく変えた。当時はみなそう思った。
その中に火山の爆発だって想像の範囲に入れるべきだったのだ。
でも、それには目がいかなかった。
なぜか。研究体制の問題もある。時流に乗った原子力学者は大勢いたが、地味な火山、地質学の研究者はあまりいない。

気象庁を“悪者”にしたくは無いが、きっと予算だってろくに付けられていないのだろうし。でも、その予知予告には問題が残る。

火山予知連絡会。報酬は驚くほど少ないという。会議に行って日当1万円程度と交通費。研究費用だって潤沢では無い。

原発開発に比べて月とすっぽんの差だ。

御嶽山の場合、20日ほど前から火山性地震が増え始めていた。気象庁も驚いていたはず。しかし、その勢いがいくらかおさまったことから気を抜いていたのか。突然の爆発・・・。

予知連の会長も「お手上げ状態」だったと言い、他の火山地震学者も、「今の技術レベルでは、予知はギャンブルみたいなもの」と嘆く。

折しも、山は紅葉シーズン。観光登山客は後を絶たない時期。気象庁は警戒レベルを上げなかった。どこか「安逸」に流れていた空気が無かったのか。

14年前の北海道有珠山噴火では「予知」がある程度功を奏した事例もあったのに。

事故の後だから何でも言えるのかもしれないが、9月11日に85回も火山性地震が観測されていたなら、入山の警戒レベルを、通常の1から2に引き上げるべきだったのではないかとも。

レベル2、火口周辺への立ち入り規制。

犠牲者は火口付近が多かったと言う。山を“管理”する県や地元の町はどう受け止めていたのか。毎日、“山の顔”を見ている現地の人もいただろうに。

入山した人の中には、ネットで調べて“地震の多発”を知っていた人もいる。しかし、現地では規制は無かった・・・。

せめて登山道の入り口に「地震が続いています。十分警戒してください」ぐらいの掲示でもあれば、入山を逡巡した人もいたかもしれないし。まして子供連れでは。

やはり、現代人は、「科学の力」を信じているようだ。予知が出されなければ“安心”だというような。

だから何度でも言う。「自然に意志は無い」と。いつどうなるかわからないものだと。

御嶽山の惨事。ギャンブルと比較することではない。火山予知連絡会、火山噴火学者。地震予知連絡会、地震学者。衝撃が走っているのではないか。

東日本大震災が残した多くの教訓。それが生かされないという現実。
まして川内原発おや。だ。
再稼働を認可して規制委の科学的レベル。より疑念が湧く。

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