2014年11月19日水曜日

傲慢と欺瞞と“正直さ”と


ほんと「安倍政治」について語るのは、考えるのはほとほと疲れることなのであり・・・。バカバカしくもあるのだが。
この国の首相として彼は存在している。最大権力者として。

昨夜の記者会見。解散に言及した会見。それをめぐる論評はメディアに委ねておこう。それが当を得ているかどうかはともかくとして。

会見は7時10分からだった。NHKのニュース時間。この種の会見は大方が夕方5時から。
今は大相撲期間中。それが終わらねば。そして比較的在宅率が高い時間。それは午後7時。
高倉健の死去と言うニュースがあった。それこそ国民の支持率100%近い俳優の訃報。NHKとて報じないわけにはいかない。10分間がそれにあてられた。

なんと内閣記者会の幹事社はNHKときたもんだ。阿吽の呼吸のタッグマッチ。
プロンプターを見つめながら滔々としゃべる安倍。時折、眼はプロンプターにくぎ付けで。

冒頭発言終わって幹事社の代表質問。それは事前に通告済み。これまた答弁はプロンプターにある。これまた滔々と。
質問通告がなかったのかもしれない2社の質問。それへの答えはほとんど無味乾燥な物だった。

会見を仕切っているのは官邸の広報室。わずか30分足らずで打ち切りといった“官制会見”。

たった30分で「選挙」が語られたということ。

「消費税」がそのすべてだった。1年8か月引き上げを延期する。その後は絶対に引き上げる。経済成長のために、アベノミクス達成のために。

消費税。薄く広く、かつ強制的に網をかぶせられる税。2017年4月には10%となる。
増税は国民に犠牲を、痛みを強いるもの。それに対して「痛みを与えて申し訳ないが・・・・」というような言葉は一切なかった。

我が道を行く。その傲慢さ。

あの増税延期を決めさせた、7~9のGDP速報値。もしかしたらそれさえも“意図的に作られたもの”とも思いたくなってくる。

増税について、その重大な問題について「信を問う」と言う。選挙しなくても見送りは政府の判断、国会の判断で出来る。

特定機密法案、集団的自衛権。重大な問題ではないということだったのだ。国民の信を問うていないのだから。

あきらかに欺瞞に満ちた恣意的政治。

安倍が言う「国民」とは誰か。彼をとりまく、彼を支持する、わずか0,9%の超富裕層。それに準じる10,1%の富裕層ということか。
消費税が上がろうとどうしようと生活に関係ない人達。

深夜、TBSの番組に出ていた。プロンプター無し。思わず出る本音。
国民の声は・・・とVTR見さされて、「この人達は誰なんですか・・・」のような本音。正直なんだ。
反対意見を排除しようとする、いや、それが当然だとしている彼の「正直さ」。

この世をば我が世とぞ思ふ・・・・。ってことなのだろう。

信を問わなくても出来る消費税増税延期。それに解散権を持って対応する。

本音は民主党潰しなんだろうな。どうも国会論戦見ていても彼は心底民主党がお嫌いと見える。
いまやそんなに恐るるに足る政党ともおもえないのだが。何かの怨念のような殲滅作戦にも思える。

受けて立つ野党。これまた箸にも棒にもかからない。とるにたらない輩ときたもんだ。
選挙まであとひと月も無い。新党なんて有り得ない。選挙態勢なんて出来ない。

民主党が、海江田がぐちゃぐちゃ言ったってそれに“共感”を覚える人って少ないのでは。

まともに分析しているのは江田と共産党くらい。でも所詮は・・・。

「大義がない」「消費税なんたら」解散と遠吠えしても致し方なく。

もはや、「福島」はそこには無い。沖縄につての質問も無かった。原発再稼働を問う気の抜けたような質問はあったけど。

日本プレスクラブや外国特派員協会主催の会見てあるのだろうか。多分各党そろい踏みということになるのだろう。
安倍政治を問う会見が成立するのかどうか。

おかしくて、やがて悲しき政治かな。と投げ捨てて見るが如何。

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