福島の帰還困難区域の話しでは無い。政党のことだ。
衆院解散となり、多くの前議員は地元に飛んだ。
そして誰もいなくなった・・・。
議員会館は閑散とし、夜間照明されて国会議事堂の姿もなにやら虚空にたっているような感ありだ。
永田町に集う人たちの多くは「地方」の人だ。永田町にいる時だけそこの人に変身する。
選挙区は「地方」だ。
選挙区に戻り、どんな地方の声を聞かされてくるのだろう。
後援会の集まりで出れば、皆、身内。
それらの声ではない。街角の声、さびれた地域の声・・・。それをなんと聞くかだ。
考えてみれば、自民党に対抗してきた、反自民を貫いてきた政党は共産党だけかもしれない。
野党であった社会党も、党名変更などの挙句、村山内閣の経緯はともかく、民主と連立。いわば与党の密の味をあじわった。
民主党だって、いわば自民の別れ。維新も。次世代も。
あの一時栄華を誇った小沢一郎。自分が作った(途中経過はともかく)民主党から離れ、生活の党。そして凋落の一途・・・。
離合集散、有為転変。それがまさに政治の世界なのでありまして。
小沢はやはり政治家としては手練れだ。読みは間違ってきたが。選挙のテクニックを熟知している。
不甲斐ない野党。自民に対抗しうる野党勢力の結集。それに陰で動いていることは想像に難くない。
生活の党の議員には、離党を「勧めた」。勝手にすればいいというのは、投げやりで言ったのではないはず。
彼の生活の党からはそこそこ民主党に走ったひとたちがいる。民主を軸に野党の再結成ということなのだろう。
維新の党ともどこかで“連携」をはかろうとしている。民主党と維新とは対決させない。
生活の党、そこからは「誰もいなくなった」の感ありだが。
“自分の党”を“みんなの党”と言い換えていた人がいる。
その党は解党“した。まさに「誰もいなくなった」だ。
安倍は何を勘違いしたのか。いや、もともとそういう人なのか・・・。
「アベノミクス解散」だと豪語した。
アベノミクスなるもの、その実態や本質、それの意味。どれだけの人が理解しているのだろうか。
自分の名前を冠したもの。それが争点。自己中解散だ。
安倍の選挙区、地元。山口の街。そこは疲弊した地方の象徴のような街。それを彼はほとんど見ていない。
彼は東京の人だ。富ヶ谷の人だ。毎日通るそこの光景。山手通りにも。井の頭通りにも車は走り、静かだったあの街も、今や東京の“有名地”となった。
かつてとその姿は様変わりしたようだ。
あ、俺だって富ヶ谷は地元なんだけどな・・・(笑)。懐かしいなあの商店街が。(笑)。
人間は、想像力の働かない人間は、自分の見たこと、聞いたことでしか物を語れない。
富ヶ谷にはアベノミクスの恩恵がある。山口にはそれは無い。
地元に帰った議員たちは、2年ぶりに見るのかもしれない。“だれも居なくなった”町や村を。永田町とのギャップに驚くのかもしれない。
「そして誰もいなくなった」。アガサクリスティーの推理小説だ。もちろん政治の話ではないが。
原作の原題。 And Then There Were None。
田舎町のマルシェなるところに行った。それなりに人は集っていたが。そこで数時間。そして浮かんだ言葉が、きょうのタイトル。
2014年11月22日土曜日
“チェルノブイリ”異聞
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