2014年11月28日金曜日

「不毛」を「不毛にしない」ために

選挙そのものの話しでは無い。
総選挙の投票にいくと、ついてくるのが最高裁判事の国民審査というやつ。

○か×かの印つけ。その対象者は判事全員ではないが。今まで「審査」を受けなかった人だが。

最高裁判事は内閣によって任命される。だから、内閣が代わる総選挙時にその信任投票もという理屈なのだろう。

多くの人が、それを不毛な“行事”だと思っている。
「だいたい、だれがだれだかわからないし、選挙程身近ではないし、意味ないじゃん」というのが誰しも考えること。

当然だ。

だけど、それも国民の権利として与えられている以上、それなりの対応があってもいいのではないかということ。

今、選挙を控えて、一つの問題になっているのが国会の姿、国会の形。つまり、議員の身分、議員の定数、選挙制度改革ということ。

衆議院の定数は、駆け引き、目くらましで「0増5減」となった。それで選挙が行われる。それが「妥当」な定数であるか、つまり、言われている1票の格差、選挙の平等ということに関していいのかどうかという問題。

選挙後には全国各地で、弁護士団から、選挙無効の訴訟が起こると言われている。
それらは各地裁に起こされるものだが。

たまさか、前回の参院選についての最高裁の判決が出された。
1票の格差が最大4,77だった去年の参院選。最高裁大法廷はそれを「違憲状態」とした。

違憲ではない。状態だ。状態とはいわば注意喚起みたいなもの。合憲の範疇だが。
違憲状態という司法の判断はすでに出されている。しかし、国会の動きはあまりにも鈍すぎる。

大法廷の裁判官は15人。そのうち11人の多数意見としての違憲状態。4人が「違憲」だとした。その中でも元内閣法制局長官だった山本庸幸裁判官は、はっきり「選挙無効」を主張した。

たしか、彼は集団的自衛権の問題で、内閣の意向に異を唱え、最高裁判事に回された人のはず。

違憲と判断した裁判官は、鬼丸かおる、山本庸幸、大橋正春、木内道祥の4人の裁判官。

このうち3人は国民審査の対象者。

この名前は新聞を切り抜いておけばわかる。投票所に持っていってもいい。

最高裁の判事が、これまで、どんな裁判に関わり、どういう判決を出していたのかを、まことに面倒なことではあるが、○×の判断材料にするべきだと。

それでこそ、全員に○をつけるか×にするかの「不毛」な行為の分かれ道になるのだ。

不毛を不毛で無くするための多少の労苦。

格差を是認する人は、この人達に×をつければいい。格差がおかしいと思っている人は他の人に×をつければいい。

国民が「司法」に「介入」出来るのはこの時だけなのだから。

福島では原発をめぐり、東電や国を相手にさまざまな訴訟が起きている。それに司法がどれほど真摯に向き合うのか。

「大飯・高浜原発」の再稼働差止めの仮処分を求めた裁判では、きのう大津地裁が請求却下の判断をしめしてはいるが。

原発問題が最高裁の“舞台”にはなかなかのぼらないだろう。そして、大方、これまでもあった高度な政治判断を要する事案は馴染まないともするだろうが。

政治に絶望し、司法に絶望する。それじゃすべてが成り立たなくなるんだけどな。

それを「不毛な作業」とは言わないが、1F構内。2号機の冷却装置がまた止まったと報道されていた。その後どうなったのか。
一日6,000人の作業員。彼らの中に「不毛」の意識が蔓延した時、そこはどうなっていくのか。トレンチの止水はどうなったのか。
3年半以上を「不毛な時」としたくないための作業が行われていると信じたいが・・・。

“チェルノブイリ”異聞

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