2013年7月6日土曜日

東北のテレビ、東京のテレビ


昨夜のNHK総合テレビ。夜7時半から。
東北地方に放送された番組は、「クローズアップ東北。魚の町・第2危機。工場再建で今何が?」。津波で流された漁港と再興しようとする人達と、その努力、しかし、それを困難にさせるさまざまな要因。そんなことを取り上げた番組だった。

8時からは「東北Z」。新聞のテレビ欄を拾う。
「模型で復活!震災前の釜石の街並み▽よみがえる故郷の記憶▽呑ん兵衛横丁・虎舞・釜石ラグビー」。

東北の若者やそこを支援する人たちが、”ジオラマ“のような元あった町を模型で復元する。そこに、そこに住んでいた人たちが自分の家や店に、それぞれ手書きで色を塗り、表札や看板を書いてピンで刺す。そして町を”復元“させる。
その完成までの1週間を縦糸に、そこにいた人たちのそれぞれの生き方や、今、そして、その思いを横糸のように絡ませる。

絶対この地に飲み屋を再建させると決意する女性。釜石音頭を歌う86歳の芸者さん。虎舞の“師匠”の漁師。
何もなくなった町にも道はある。道の目印が無い。角に目印代わりに花を植える。
港町の伝統文化だった虎舞を若い人に受け継いでもらおうとする。

かつて鉄の町として賑わった街。新日鉄釜石という名門のラグビーチームがあった街。全国大会で優勝するたびに街をあげての凱旋パレードの光景。
それらが“ジオラマ”の中に描かれていく・・・。

呑ん兵衛横丁は製鉄所の従業員やラガーマンで賑わっていた。せめて“模型”でも、その街を再現しようと集まってくる人たち。その人たちを取り巻く人間模様。その街を取り戻そうとする人たち・・・。

そこにはみんな「温かい人間」がいた。

この試みは岩手から宮城、そして福島へとつながっていくといいう。NHK盛岡の制作番組。
ジーンとするものを感じながらこころからの拍手を送っていた。

気になって東京のNHKの放送番組を調べた。

7時半からは「特報首都圏、広がる!夢かなえる“クラウドファンディング”とある。なんだかわからない。

8時から。「キッチンが走る!世界遺産富士山の恵み。絶景と水に抱かれて・・・夫のわさび田守る家族。富士宮で絶品フレンチ」。

毎週木曜日に時々書く。被災地からの声という番組のことを。
素人臭いことを言うようだが、東北発の番組は全国の放送されて意義がある。

東北発のテレビ番組を東北の人だけが見る。被災者同士だけが。

語り継ぐだの寄り添うという言葉はまだ死語にはなっていない。しかし実態はどうか。

全国には東北に、被災地に心を寄せてくれている人たちがいる。その人たちにも見てもらいたかった東北Z。

東北にはいる。強くて逞しく、温かい人たちが。それを再認識する。そして思う。

東北にいて、この番組を、津田アナウンサーが伝える被災地の声の本当の姿を見ることが出来てよかったと。

津波で全部流されたところに、何も無くなったところに「本当の人間」がいる。
この人たちの姿を見られない東京の(あえて東京という言葉で括るが)人たちを気の毒にも思えてくる。

東北にいてよかった。東北バンザイだ。

NHKの番組に見る彼我の差。それがあれから2年4カ月たった今の日本の実相の象徴。

一昔前、♪東京砂漠♪という歌謡曲がはやっていた時代があった。コンクリートで固められた砂漠。もちろん「人の砂漠」。

そんな題名の沢木耕太郎の本があった。読み耽けった。

そう、その頃ボクは砂漠の真っただ中を“漂流”していた・・・。

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