“佐村河内”と“STAP細胞小保方”事件と・・・。事件なんていうとちょっと的外れのようだが。
騒ぎを作り、騒ぎを増幅させ、正義の側に立とうとするマスコミ。そんなひねくれた目線で。
佐村河内のNHKのドキュメント。あの中の映像。暗い部屋、スタンドの明かりだけ。聴覚障害なのに、テレビの照明が影響を与えるような作り。視覚障害ではないのに。時々頭を狂ったように叩いてみたり。
「演出」そのものとあの時直観出来た。でも、CDは買った。“ゴーストライター”が登場しても、曲は曲だと思ったし、彼の出生、ヒロシマという副題、それも大した問題では無かった。気になったのは被災地の子供のこと。
子供を騙した。たしかにそうだ。許せるかと言えば許せない側に立つ。マスコミがしきりのその子供を追う事。その近親者に執拗に迫るのが嫌だった。
STAP細胞問題。科学は全くの門外漢。生命細胞が開発されてということに驚いた。IPSでもそうだった。それが万能細胞とされ、新たな生命さえ作りかねない。不思議さがあった。永遠の命が与えられることになるかもしれない。科学の力で。なんか“違和感”があった。
小保方さんの問題。いろんな視点からの論議があるだろう。そこに持ち出されていた「倫理観」ということ。それは佐村河内の時もそうだったが。
世はあげてデジタル社会。コピペなんて誰でも平気でやっている。画像の加工。大方の人なら出来る。
デジタルの対極としてのアナログ。当事者から聞いていた話。医者の世界だが。
研究者、それはたしかに学者。博士論文にいそしみ、教授の座を狙う。“出世”が第一。そんな医学者は、注射一本まともに打てない。針の差し場所すら間違える。
論文を書かない臨床医。手術の経験は豊富。例えば大動脈瘤破裂の急患。患部を切開し、血管をわしずかみにする。血管の縫合。そこは血の海。どこに血管があるか見えない。わしずかみにした血管に針を通す。反対側に抜けたかどうかわからない。反対側には自分の左手をあてる。針が通っていれば、手に刺さるからわかる。自分の手も出血する。血と血が合併症を引き起こすかもしれない。それに躊躇していたら命を失う。それはその時。ひたすら縫合。手術後のその医師の手は針の穴だらけ。
まさにアナログの世界ですな。とその医師は言った。
そんな話を、実名を伴った話を聞かされていた。
別に小保方論文を擁護しているわけではない。発表されるとマスコミは大騒ぎした。新聞社やNHKには科学文化部というのがある。専門記者がいる。
発表の信ぴょう性の「ウラ」がとれなかった。言い訳は時間が無かったから。
大方、マスコミはこぞって非を言う。非難し、批判し。すぐ撤回、謝罪ってことに行く。まず謝罪すべきはマスコミ。割烹着までも話題にしたりした。
倫理。デジタル技術に倫理は存在しない。研究者の倫理。それはある。マスコミの倫理。当然ある。自らの倫理を棚上げにして、“悪者”を徹底的に攻める。それが「正義」だとして。
この問題で「倫理」を追求するなら、もっと追及しなければならない論理があるはず。政治倫理だ。
核という物質に倫理観は存在しない。その核を使って、科学技術の進歩だとして、社会正義だとも言わんばかりに開発した原発。それを扱う人には倫理観が要求される。電力会社の企業倫理が問われてしかるべき。
コピペの事を、画像加工のことを引き合いに出してのデジタル技術。ネットの日常ではコピペは“常識”。そこに持ち込まれる研究者の倫理なるもの。
倫理を見失っているマスコミがここぞとばかりに倫理を前面に、攻撃していることの“悲しさ”。
原発事故以来、専門家、研究者、原子力学者と言われる人の言は信用しなくなった。おかしな“専門知識”の氾濫にどれだけ苦しめられたか。その“倫理観”のカケラすらない学説に。それを垂れ流すマスコミにどれほど批判してきたことか。
とにかく「悪者」を作り、見つけ、それをこてんぱんに叩くことが「正義」だと誤信している人達よ。なんかちょっと違うんじゃないかい。
正義を言う人が狙う相手はもっと別の場所にいるんじゃないかい。決して擁護論では無く。
2014年3月15日土曜日
“チェルノブイリ”異聞
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