あの国土を揺るがした大震災。爆発する原発。その有様を見た国民はすべてが思ったであろう。この国は変わらなくてはならない。変わるべきだと。
結局、何も変わっていない。被災者の、いまや日常となった悲惨な生活も。原発の恐怖も。
本来の国家であるならば、一番最初に変わるべきだったのは国の指導者であり、政権であり、政府であり、政治家だったはず。それが、まったく変わっていない。
辞める辞めない。ペテン師詐欺師。もうそんなことはどうでもいい。政治を論じることに意味を見いだせなくなった。
テロリズムの予感さえしてくる。
リーダー無き国家。もしかしたら政治家と称する人たちが居なくても、いや、居ない方が、この国は立行くのかもしれない。
飯舘村の菅野村長は穏やかに言った。「政治とは心です」と。
だから村民は黙って村長について行く。彼は信念を曲げないという。
岩手県大船渡の銘菓「かもめの玉子」。その銘菓会社の斎藤社長は言う。「社員は財産です」と。全社員はどんなに辛くてもその社長について行くという。そんなリーダーに巡り合えた事を誇りと思う、幸せだと思うと言う。
数日間の政局騒ぎ、無意味な政争。与野党を問わない。国民は今議席を持っているすべての政治家に「ノー」を突きつけているはず。これだけ政治不信に陥らせた責任はあまりにも大きい。この国の議会制民主主義は崩壊した。立て直すのにどれくらいの年月を要するのか。
すべての議員さんたちよ。もう一回己の胸に手をあててよく考え直せよ。人間としてそれでいいのかと。
メディアも結局変わっていなかった。悲しい。菅を鳩山を小沢を自民を非難する声は発せられているけれど「おざなり」である。通り一辺である。
「辞める」ということを一旦口にした以上は辞めねばならない。口にしたことを守らない以上それを政治家とは呼ばない。
メディアなこの国家存亡の危機をどう捉えているのか。飢え、苦しみ、恐怖にさいなまれている人たちをどう見ているのか。メディアに出来ることはあるはず。
メディアが見放されないための正念場を迎えている。
新聞は菅退陣に向けた大論陣をはりなさい。書いて書いて書きまくりなさい。東京の記者クラブや高層ビルの本社で書くのでなく、被災地へ行ってこの国を書きなさい。
テレビは各局で振り分けて、国会議員をすべてスタジオに呼びなさい。嘘偽りのない政治家としての考えを問いただしなさい。もし政局にいまなお言及する人がいたら、その人の名を記憶しなさい。次に選挙では落としなさい。
今の政治家が半分以上国会議員でなくなっても国民は困らない。原発作業員が一人欠けるほうが困る。
議員さんよ。群れている場合じゃない。個々人がどう思うか、どうするか。天下に明らかにし、衆目に自分の考え、行動を晒す時。
永田町生息者に「国民」と呼ばれたくない。だけど信じる。あまたの議員さんの中で「政治は心だ」と思っている人が数人でもいることを。
2011年6月3日金曜日
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2 件のコメント:
ご亭主 様
福島県民は五つ目の災害を被りました。政治災害!!!
一体この国の政治家と言われる輩はなんなんでしょうか。
誰しもが認める国難の危機にこの政争・どたばた劇の顛末は・・・・情けないを通り越してもう語る気も失せた。
しかし、拙宅に届く全国各地からの支援物資の数々・・・
ニュービーズが160箱、夏物女性用下着50着同じく男性用50着(これ一人で)、本が靴下が文房具が・・・と一部屋が使えないほどの多くの品々。これらを見ると、届くとまた気を張りなおしBPへと足を運ぶのです。
心ある政治家ヨ、どうか気づいてください。このように善意を寄せる人々がいることを 駄目かなぁ
romancegrayさま
政治災害の被害者は全国民です。
語るのもまがまがしい。政治。与野党問わず政治家の劣化がここまで進んでいようとは。気概とか使命感、全く持ち合わせず。ゲームでもやってる感覚なのか。
被災地に入った政治家もいます。彼らは何を見てきたのか。
ビッグパレットにも一杯政治家は来ていました。
何も学んでいかなかったと。見るだけならロボットの方が優れている。
「こころ」が無いんでうよ「こころ」が。東京で消費者の安全なんてわめいていれば事足りると思っている奴ら。
ほんと、語りたくないね。
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