福島県民で明るく元気な人はいない。少なくとも亭主の周りでは。挨拶変わりに「いやいや、疲れたない」という。みんな疲れています。体調不良なんです。
たしかに、放射能による内部被曝は受けています。数値の多寡はともかく。今度の原発事故で。ただ、それは健康に被害を及ぼしたか。及ぼす可能性があるのかどうか。
疲れている、体調不良だ。それは内部被曝のせいではありません。ストレスなんです。過度のストレスを皆受けているのです。
日々の生活パターンを変えざるを得なくなったということだけではなく、メディアの伝え方や、記事を補完するための逃げ口上のような専門家とか識者の意見。そしてネットを通じ、クチコミを通じて伝播するデマの類。
「子供のおでこの湿疹が出来た。被爆だ」。あわてて遠隔地の病院で検査うけるとか。もちろん結果は単なる汗疹。
「福島の子供は鼻血を出している。下痢ばかり起こしている。放射能のせいだ」。勘弁してくださいよ。50キロや60キロも離れているところで。原発の建屋の内部ならともかく。
デマというより実際子供は下痢や鼻血を出すものです。風邪が原因でも。それを反原発団体の主催するグループに相談に行く。そこで不安を増長させられる。
放射能の内部被曝による疾患。癌の可能性が最多です。家で親がタバコを吸っていて、子供に放射能による癌の可能性を心配する。ちょと変じゃないですか。
懇意にしている医者と話をしました。あらゆる病気の原因はストレス、過度のストレスによるものが多いと。ストレスが人間の持っている免疫力を壊し、疾病を発症させると。
記事をちゃんと読んだわけではないけれど、今日発売のアエラが書いているようです。千葉県に住むお母さんが給食を食べさせない。給食と同じ献立を作ってお弁当を子供に持たせていると。子を守る親の”美談”のように書かれている。このおかあさんのストレスはすごいでしょうね。そして親のストレスは子供にもなんらかの形で”伝染”する。
福島県民は疲れています。皆、体調不良です。原因は。よくわからない放射線や、なんら安全を示してくれないお国に対する絶対的な不信。大騒ぎのメディア。それこそ「生活の安全神話」にどっぷりつかって来た発想から転換出来ない弱さ。
人が集まっても、もちろん学校でもどこでも。話題は常に放射能、放射能。精神的に疲れますね。ストレスが蓄積されて行きますね。積算ストレス量。
講演でも、書物でも、講義でも言い続けています。「人間力」だと。人間力が試されている。それでしか乗り越えられない。
“チェルノブイリ”異聞
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