原発事故以来、放射線量をめぐる「数字」の議論は増すばかりです。新聞紙上では毎日都市部ごとの空間線量が載っているし、各ホームページでは細かい線量も出ているのですが。
この発表される線量を誰も信用していない。早く「信用出来るきちんとした数字を出して欲しい」と言う。もはや、こと原発に至っては東電も政府も自治体もそここから発表される「数字」に関して誰も信用しなくなった。
頼るのは「個人」による計測。昼でも夜でも、人が集まるとこの話しばかりです。数字に窒息させられそうです。
個人が計測器持ってあちこち計って一喜一憂。一喜はないけど。なぜそこが多いか、高いかの議論しきり。
一律的な空間線量は、もはや何の指標にもならなくなった。葉や土や側溝や。そこが問題だと。平均的個人は存在しない。個人ごとの把握が大事と。
線量の数字に生活が行動が頭の中が振り回されている。
とにかく測ることが大事。専門家も含めて言う。
伊達市では8千人の子供たちに積算放射線量測定器をもたせるという。バッジ型の線量計。ガラスバッジという。それを専門期間に送って計ってもらいひと月後くらいに結果を知らせてもらうという。
福島市でも9月から始める。3万4千人の中学生以下の子供が対象。仮に登下校時に線量の高いところに行っても「ピピピ」と鳴るわけではないが、積算量を自分たちで知らないと納得出来ない。
結果が出たときどうなる。多くの子供たちを避難させるのか。すでに”被曝”しているとわかったらどうするのか。
原発現場でも毎日が数字との戦い。水の量や放射線量や。そして従業員の被曝線量や。
日々明らかにされる数字への恐怖感。
そして都会では電力の供給量や節電対策の数字で話題がもちきり。気温が気になる日々。節電メーターの数字が気になる日々・・・。
そして・・企業の営業マンたちは「数字を上げろ、上げろ」と売上増を求められるのか。それはともかく。
線量計にだけ安全、安心を託すことになってしまったこの国の姿。
2011年6月14日火曜日
“チェルノブイリ”異聞
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