きょうは子供の日。昔風にいえば端午の節句。こどもの健やかな成長を願った日。こどものための日だった。こどもの成長を願うお祝いの日だった。
3・11以降、二回目の子供の日。子供の数は減少している。少子高齢化社会は確実に進行中。そこにもってきての原発事故。
福島県の子供の数、たぶん、子供とは15歳以下を指すらしいのだが、推計人口はこの一年で1万5500人減少した。子供人口は25万6千人余りの中で。
それでも去年は27万2千人余り、8500人の減少だったのに。
一挙に1万5千人台の減少。避難したことがその要因の多くと思える。住民票を移していない子を数えれば、実態はさらに減少していると。
数字としてはやりきれない現実である。
それでも、「残った」子供達は、屋内の遊び場で、屋外で催されている子供の日のイベントに参加し、思いっきり飛び跳ねている。
子供の日のプレゼントに。隣の3人の子供に届けに行ったが、一家でお出かけの様子。なんとなくほっとするような。
3・11以降、大人たちはどれだけ子供達に励まされ、笑顔に癒され、いろんなものを貰って来たか。
3・11後、やっと子供たちの「詩」がまとめられ、心の中に留め置いた「思い」が吐露されるようになった。そのいくつかを目にしたが、どれも凄い。素晴らしい。そして力強い。
なぜ、きょうのタイトルに数字を使ったのか。たまたまの語呂合わせ。2012を足すと5になる。そして5月5日。5・5・5。あえて「GO GO GO」と読ませて貰う。君たちの未来に向けて。
福島で出版されている「こころの幻燈会」という本がある。そこにおさめられている子供の詩。
ふくしまのりんごだいすき/こうえんもだいすき/ようちえんのおともだちがだいすき/
ぶらんこもだいすき/おえかきがすき/キティーちゃんのシールもだいすき/
ぶんぶんのみんなすき/だからほうしゃのうなんかにまけないよ。
福島市の子供の詩です。この詩にお母さんのコメントが添えられています。
「避難も考えましたが、こどもの<だいすき>を優先させました。こどもは素直です。嫌いなものなんて一つもありません。私も子供と一緒に頑張ります」。
ここ数日朝日新聞のプロメテウスの罠に登場する沖縄に“避難”したお母さん方は、沖縄で手厚く“もてなし”を受けている人達は、それを“美談”にする記者は、この母子をどう見るのか。
奇しくも今日は北海道の泊原発が停止。日本からひさしぶりに原発が「ゼロ」になる日。原発ゼロ記念日。
郡山の赤木小学校の坂内先生は「放射線になんか、まけないぞ!」という絵本を書いて子供たちに教えているという。
放射線とは何かを伝え、それが人から人へうつることなんかない「正しい知識」を伝え、その上でこう言う。「子供たちに伝えたいのは知識だけではありません。本当に大切なのは正しく知って、正しく怖れ、乗り越える手だてを考えて、行動を起こすこと。この何十年もの間、放射線と関わりながら生きていく、福島の子なら、なおのこと」と。
そして坂内先生はこう結ぶ、「わたしはみなさんの力に、とても期待しています」と。
福島の子達は、きっと強い子に育つと思う。そして自らが考え知識を蓄えた大人になると思う。
「子供の日」、それはもはや子供のための日ではなく、子供たちから大人が学ぶ日にと変換されたのではないかと。
近所の家に泳ぐ鯉のぼり。なぜか逞しく見えて・・・。ゴーゴーゴーだぜ福島の子供たちよ。
2012年5月5日土曜日
“チェルノブイリ”異聞
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