福島大学が国内外の学生30人を6月に県内に招待し、福島の日常の暮らしや復興の様子を見てもらう研修ツアーを実施するという。
福島のありのままが伝わっていないからという思いからだと。
「福島の現状の一部だけが過度に伝わっている」「福島で生活できる?」「早く出たほうがいいな」などと県外の人たちと話す度に言われた。驚いた。「普通に働き、食べ、日常生活を送る福島の姿が知られていない。ありのままを知ってもらった上で、不安に共感してほしい」。実行委代表の一人の学生の言葉。
昨年ドイツに研修旅行に行った時「原発事故は報道されても、福島の人たちの生活が伝わっていないと感じた。まったく人が住んでいないような印象さえ持たれている。直接見て、伝えてもらうことで、偏見ではなく共感が生まれると思う」ともう一人の学生の話。
これは数日前の朝日新聞の県版に書かれていた記事。学生を応援したい、頑張って成功させて欲しいと思う反面、湧く疑問。
福島の現状が伝わって無い。それはメディアがちゃんと伝えてないからだということ。この記事を書いた記者はどういう思いだったろうか。
自分たちが日々経験し、書いていることが伝わっていないという事実を。
「見る・聞く・話すは、今」。朝日新聞が阪神支局襲撃事件以来、折りにふれて特集してきたテーマである。意地悪く言えば、それが福島では為されていないということにならないか。
県版で書いても全国版には載らない。よくあるケースだ。ネットであげてもどこまで目を通してくれるか。そんなジレンマも地元の記者にはあるだろう。
福島の今を正確に伝える。ありのままを伝える。メディアの役割の筈なのに。
同じ会社の出版物では、危険をあおるような記事を流し、ネットで、ツイッターで流される流言飛語を否定も反論もせずにいる既存メディア。
相変わらずツイッターを時々覗くとすごい事になっています。地元の人たちが盛んに反論したりしていますが、例の上杉事件以来、その噂、誹謗、デマの類はさらに増えている気配です。
メディアは信用されていないってことなのでしょうか。福大の学生が言うように、直接見て聞いて知ってもらうしか方法はないのでしょうか。
学生が言うように、福島県の人たちは普通に暮らしています。地元産のものも食べ、笑い、歌い、飲んで、自分の仕事を普通にやっています。道ですれ違う若者は大声で、「コンチワ」とあいさつしてくれます。鼻血を出している子供はいません。病院は混んでいます。持病で長年通院してる人で。
でも病んでいる人もいます。放射線の影響ではありません。ストレスでです。
避難生活のストレス、誹謗中傷によるストレス・・・。
6月に訪れる30人の学生さんたちが、ありのままの福島の姿を発信してくれること大いに期待しています。
2012年5月13日日曜日
“チェルノブイリ”異聞
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