陽春です。
空は真っ青。流れる雲とて無く。
風もほとんど吹いていません。きのうの突風が嘘のよう。
あちこちで桜が咲いてきました。
でも、サクラの下に集う人は少ないようです。
見るもよし、見ざるもよし、我は咲くなり。
平和な光景。だけど、日曜日だというのに表で遊ぶ子供たちの歓声は聞こえてこない・・・。
外に出て外気を思いっきり吸いこんでみます。溜まった悪い気を吐きだし、この空のすがすがしさを吸い込みます。
昨夜の空は満月でした。星も綺麗にまたたいていました。星は今のこの地球という一つの星をどうみているのでしょうか。人類や生物があるいは死に、あるいは塗炭の苦しみにあえいでいるこの星を。
星を眺めて家に入るとテレビの、あの、不愉快なACの合間に素晴らしいCMが流れていました。
多くの歌手やタレント、女優さんたちのバトンリレー形式の歌。ノーギャラで出演している芸能人たちは総勢71人とか。4小節ずつか。それぞれがリーレーで歌い上げる曲。
坂本九が歌った曲。永六輔作詞、いずみたく作曲の懐かしい名曲。
「上を向いて歩こう」と「見上げてごらん夜の星を」。夜の星・・・なぜか聞いているだけで涙腺が緩みます。にじんできます。
あえて歌詞を記します。歌ってみてください。
「見上げてごらん 夜の星を ボクらのように 名もない星が ささやかな 幸せを願ってる。手をつなごうボクと 追いかけよう夢を 二人なら 苦しくなんかないさ。見上げてごらん 夜の星を 小さな星の 小さな光が ささやかな幸せを うたってる。ささやかな幸せを祈ってる」。
広告主はサントリーです。商品の名前は出てきません。ただSUNTORYというロゴが出るだけ。サントリーの企業文化か。
この二つの曲。いずれも1960年代に作られたものです。何をうたったか。日本が高度経済成長に向けてまっしぐらに歩んでいた時。金の卵と言われて、東北地方から多くの若者が東京に集団就職しました。定時制高校に通いながら東京の中小企業で働き、高度成長を支えてきました。担ってきました。時々、彼らは故郷を想ったことでしょう。そんな彼らの心の支えになれば。この曲のモチーフです。大ヒットしました。
それから50年後。この大震災。東北人を激励するには一番いい曲かと。一世を風靡したサントリー宣伝部。多くの文人、文化人を輩出したサントリー宣伝部。伝説の企業文化。今は亡き佐治敬三という優れたトップが作りだした・・・。
この曲に込められてメッセージは伝わる。それに比べて・・・
いや、今日はもう余計なことは言うまい。この青空を不機嫌にさせたくないから。
ソフトバンクのホワイト犬もいいですね。窓辺でじっと悲しい表情で夜空の星を見上げてる・・・・。あの犬の目が人間の悲しみや苦しみを全部掬い取ってくれるような。
2011年4月17日日曜日
“チェルノブイリ”異聞
ロシアがウクライナに侵攻し、またも多くの市民、日常が奪われて行く。 ウクライナという言葉、キエフという言葉、チェルノブイリ・・・。 そう、あの最大の原発事故を起こした地名の幾つか。 「チェルノブイリ原発事故」。1986年4月26日。 ウクライナの北部にあるその...
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