きょうは福島県民の日です。なにがどうってことじゃないけど。極言すれば誕生日。今年の誕生日は余りにも目出度く無さ過ぎる。
明治9年8月21日。明治政府の廃藩置県後の指示によって、今の会津。若松県と今の中通り、いわきを中心とした磐前(岩崎)県と、中通り、旧福島県が合併して出来た県。行政区画としては同じ県だけど気候風土、人の有り様は大いに違う。
異質の人達が集まって出来た県。どこか京都の気風を持った会津といわきでは様々違う文化や伝統、気質。
福島という呼称は、今の県庁があるところに昔杉妻城という伊達藩の出城みたいのがあり、時の会津藩主だった蒲生氏郷がそこを攻め滅ぼし、その名を出身地日野の松坂の地名にあった福島という名前を持ってきたとか。若松も氏郷の郷里に由来している。いわきはどちらかといえば奥州藤原三代の流れをくむ人が多い。いわきの以前の地名駅名は平。平泉の一字をとった。いわき市にある古刹、白水阿弥陀堂。中尊寺を模した造り。白水とは泉と言う字を分けた由来あり。平泉への望郷の念が生みだした地名。
その合併県が今は「福島」という名前でひとくくりにされている。会津人の思いは複雑だとか。会津若松の西にある新潟県の津川というところは今でも若松への編入を求めている。昔は一緒だったから。明治政府によって線をひかれるまでは。
原発事故以来、「福島」という名前は全国にとどろいた。“悪名”として。大阪にも札幌にも福島という地名がある。なにかと紛らわしかった時も。
サッカーの川島。試合で観客から浴びせられる「フクシマ」という悪意に満ちた暴言に切れたという。
「ふくしま新発売」。そんな横断幕を持って県知事は東京に行き、農産品のPRにつとめたという。奇妙な光景。もう福島県は無くなった。新しい「ふくしま」というひらがな県を新発売しよう、売り込もうってことかと思えてしまう。
住む人たちの気質や伝統は様々なんだろうが「福島」は「福島」なのだ。
もちろん旧知の間だが、この佐藤雄平という福島県知事。原発被害に苦しむ県知事として、県民のトップ、リーダーとしてはなはだ心もとない。
今更言ってもしょうがないことだけど、やはり野に置け蓮華草っていうわけじゃないけど、恒三さんの秘書として、自民党政権時代に、各役所に陳情団連れていき予算獲得の精を出しているのが一番お似合いの姿だったのでは。
東電との面会は拒否し、ただただ怒って見せて、国から大臣がくると文句ばかりいっているだけ。自前で県を立て直す、県民の安寧を図るという姿勢が見えないお方としか言えない。昔の知り合いを悪く言うのは心苦しいのだけど。
「トップの顔が見えない」。危機に有って一番問題なこと。菅を持ち出すまでも無く。雄平クンは会津田島の出身。しかし中選挙区時代は県内幅広く恒三さんの票を固めていた。警戒区域指定の浪江にも支持者を持っていた。
票集めに長けていたことや陳情裁きが上手いということと、リーダーとしての資質は違う。雄平クンにこの県の未来を託せるのか。
大女優さんと並んで、ふくしま新発売と拳を高らかにあげている姿は馴染めない。
だれが考えたのだろうか。この不可思議な「ロゴ」。これまでの福島は原発事故で「捨てた」ということか。
ごめんね雄平クン。健闘は祈っているけれど。
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