久しぶりにゲンキ君を連れて近くの動物病院へ。いつもの口内炎の治療。
病院は滅多にないような混みよう。犬から猫からウサギまで。
ノミ・ダニの治療してもらった子や体調不良の子。入院犬も。
患者さんの多くが近くの避難所にいる避難ペットだそうです。仮設の家族含めて。
その避難所ビッグパレットが今日で閉鎖。遠くの仮設に行く人が“最後”の診療に。ペット置き場に居た子達は概ね体調不良です。感染症を患っています。
そして仮設にいるペットたちもノミやダニに悩まされているとか。建物の中にアリまでが侵入してくる現状。ペット達の罹患率も高いというわけです。
「避難してきたペットたちの扱いを県の獣医師会に任せてくれればいろんな対策とれるんだけど県の規制というか、許可というか、なんでも指示に従えと厳しくて。預かっている犬も“里親”出来たんだけど、県から“移動禁止”を言われる始末で」。先生が“窮状”の一端を聞かせてくれました。
薬を貰い、飲ませ方を懇切丁寧の教えてもらい「いわき」ナンバーの車が去って行きました。
遠くの仮設に行く犬も。近くの仮設に入っている犬も。ネコも。ケージの中で暮らしながら何を思っているのでしょうか。
震災、原発被災を知らずに去年逝った澪。キーボードの前に置かれた澪の写真。「どうにかしてやってよ」と訴えるような目でみています。
そうなんです。ビッグパレットは今日で閉鎖なんです。各地の避難所も閉鎖になるところが多い。月日だけは完全に移っているのです。
ビッグパレットに設けられていた自衛隊の風呂も今日で終わりです。自衛隊も撤収していきます。
仮設に入ってからも「慣れ親しんだ」自衛隊の風呂がいいと通っていた近くの仮設の“住民”もいました。広い湯船に浸かりながら顔見知りと“温泉談義”が出来たからでしょうか。
ビッグパレットはさすがにがらがらでした。あの3月末頃のあの喧騒と人、人、人で溢れていた“光景”。炊き出しに並んでいた行列。そして人とのふれあい。
思い出したくはありませんが、一種の“懐かしさ”があります。暮らしていた人たちには失礼な言い方かもしれませんが。
ビッグパレットには臨時のFM局が作られていました。避難所は閉鎖になっても、仮設の人たちは、そのFM局の存続を望んでいます。さまざまな「情報」を伝えてくれていたラジオ局。
終戦後、しばらくしてから。ノミ・シラミを退治すると言ってDDTの白い粉をふりかけられ、ラジオから流れてくる進駐軍向けの音楽に耳を傾けていた光景がふと蘇ってくる・・・。
2011年8月31日水曜日
“チェルノブイリ”異聞
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