2011年10月17日月曜日

笑えない“光景”

郡山在住の知人の女性。都内で車を走らせていた。本人いわく。「私の運転が下手だったらしいんですけど」。信号待ちで停まったら、隣に並んだ車から降りてきた男に「おい、この~福島、ばかやろ~~」ってすごい形相で怒鳴られたとか。
本人びっくり、同乗の子供は泣き出すし。

信号が替わって走り出すと、その子供が言ったという。「ママ、あの車に頑張ろう東北って書いてあるよ」。

笑えない“光景”と。

きのうテレビでやっていた。都電の「花電車」。荒川区を走る唯一の都電。年に一回の花電車。車両を花で飾る。
その花電車の行き先表示板に書いてあった「がんばろう日本」と。
これも都内の一つの“光景”。

がんばろう福島、がんばろう東北、がんばろう日本・・・。そんな「スローガン」が街に以前あふれている。行き交う車にも、そんなステッカーがよくついている。なんか見慣れた光景になってしまった。

以前は、ある種の「連帯」を感じていた車に貼られたスッテッカー。その「励まし」のスッテッカーは、いつの間にか「ファッション」化してしまたのかもしれない。

とんでもない暴走族が若葉マークをいっぱい貼っているのと同じような。

みせかけの「言葉」や「標語」「スローガン」はもうタクサン。もう、いらない。

亭主も車で、ちょっと体力的に無理だと思うけど、東京に行ってみようかな。
もし、怒鳴られたら三倍返しするんだけどな。

首都圏の車の運転は難しいです。慣れていないと。車の流れに乗らなくちゃいけない。地理を知悉していて、的確な進路変更や意思表示をしなければならない。道路は入り組んでいるし、多数ある・・・。
たとえ、カーナビつけていても都内の運転は難しいものなのです。そしてモタモタしていてはいけないのです。それは規則ではなく都内を走る上でのいわばルールといった類の空気なのです。

それとは別にして。「おい、こりゃ福島」って怒鳴り声の中に感じる底意が憎い。悔しくないけど憎い。

震災・原発事故以前から、事故以来から、東京に行った福島県人よ。都会の水になじんでいるのかな。

車ごと東京に避難した人たちよ。堂々と走りなさい。福島ナンバーで。臆するな。

“チェルノブイリ”異聞

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