きょうの新聞の一面トップは「完全廃炉まで30年」という記事。世の関心は、すでに今ではなく、先のことに移ったのか。いや、そうではあるまい。
メディアでは、いわゆる「検証もの」が多くなった。そして、その検証物では、当時の政府の、関係者の嘘と欺瞞と不甲斐なさをあぶりだす。もちろん、それも大事なこと、必要な報道なんだけど。
今起きていること、現状。それがどうも関心の外におかれているような。
「何かが起きないと報道人の興味や関心を呼ばない」。
きょうの原発はどうなっているんだろう、なんの作業が行われているんだろう。
東電では毎日会見が行われているようだけど、その内容はほとんど、伝わってこない。会見に出る記者の数も大幅に減ったという。
不具合があった。何かが出来あがった。そんな時にはニュースになったりするんだけど。
少なくとも事故原発は常に放射性物質を撒き散らしている。毎日、何が行われているのか知りたい。
もっとも東電のホームページに行けばわかることかもしれないが。
放射能の問題では毎日が揺れている。どっかに突如「ホットスポット」なるものが現われてみたり、進んでいるのか進んでいないのかわからない除染の問題や。
農作物の測定値も毎日のように公表されているようだ。地元紙には小さな活字が並んでいる。
この前、田原総一朗氏に会った時ににも彼は言っていた。農業従事者の実態をボクはよく知らなかった。もっと伝える必要がある。「原発チャンネル作るべきです」と。
賛成。
例えばNHKのイーテレ、教育テレビ。例えばBS。原発に関する、放射能の問題にかんする、さまざまな情報をわかりやすく伝えてはもらえないだろうか。
情報だけではない。例えば、生産者と消費者が一堂に会した「対話」だってあり。お互いの立場を認識しあい、問題点を共有することが、いたずらに「恐れる」ことだけに終始している「空気」を変えることになるかもしれない。
感情に走る学者ではなく、冷静の事を見極めているような学者・専門家も交えて。
テレビの力。それを次のステップに進めるのが必要なのでは。
いろんな人が、いろんなところで「情報が」「情報が」という。いろんな情報も飛び交っている。でも、まだ「情報」は足りない。それを共有する場がない。
テレビの力の発揮どころじゃないかと思うんだけど。
2011年10月29日土曜日
“チェルノブイリ”異聞
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