2013年1月8日火曜日

原発内の「監視カメラ」のこと

東京電力福島第一原子力発電所、第二原子力発電所、広野の火力発電所。Jビレッジ。何回も行った。それは仕事として。そして、もちろんそれらが“健全”だった頃、もう10年も、いやそれ以上前か。

正面のゲートを入り、花が植えられた綺麗な道を通り、ロビーへ。そこからマイクロバスに乗り換えて原発の原子炉建屋に。

建屋に入る入口。関連会社用と東電社員、お客様用はなぜか分けられていた。最初に思った不思議な“国”。

頭から足まで「防護服」に着かえ、線量を図るゲートを、そう、それは回転ドアのようになっている厳しいチェックがされる場所だった。
中は迷路のようだった。まさに迷路。

そして、建屋の最上階、プールを俯瞰出来るところまで行く。燃料の取り出し入れする場所。そこでの作業も見る。表現は悪いが“のどか”な光景だった。

東電の人が、それが所長だったかどうか忘れたが、そして入ったのが何号機だたのかも覚えてないが、その人が、高い所に設置されている監視カメラを指さす。「IAEAの監視カメラです。24時間、ここはIAEAの監視下にあります。建屋のあちこちにもカメラが設置されています」と。
そのカメラが本当に作動しているのかどうかはわからない。「もちろん作動しています」と言われる。
「じゃ、我々も監視されているんですね」と聞く。「そうですね」と言われる。
カメラに向かって手をふってみたが何の反応もなかったが。あるわけないし。

冗談さておき、そのカメラは、作動しているのなら、あの日、2011年3月11日、午後2時46分の瞬間の映像も捉えているはず。そのカメラが落下すりか爆発とともに、破損されていない限りは。少なくとも数分間は機能し、作動していたはず。

それが何を捉えていたか。去年、亭主はその疑問をここに書いた。貴重な映像があるはずだと。どこからも何の反応も無かった・・・。監視カメラである以上録画もされていると思うのだけど。
そして、IAEAの映像は、その本部だけでなく各国にも配信されていると思うのだが。

事故後の東電内のテレビ会議のビデオ公開をめぐって、去年は大騒ぎだった。そして公開された映像からはいろんな事が読みとれた。

会議の映像の前に監視カメラの映像があるはずだ。カメラはどうなった。

それに関して東電は何も言わない。IAEAも何も言わない。誰も、マスコミや会見に同席している人達もだよ。誰も聞かない。そもそもその存在すら知らなかったかのように。

だからボクはこの場で問うた。何処からも何の反応も無かった。ツイッターにも上げたはずだが。

だから、カメラのことを思い出して以来、その映像のことに気が行った。そして、その存在をすら語らないIAEAに不信感を持った。今でも持っている不信感。

「隠されたカメラの映像」。

そして善良なボクは思う。隠しているんじゃない、あのカメラは機能していなかったんじゃないか。“開かれた原発”をアピールするための小道具だったのではないかとも。

だから「原発」は余計に“闇”になって行く・・・。

きょう1Fで煙り騒ぎがネットで流れていた。恒例のようになっている東電のライブカメラ映像を見ていた。1号機側から4号機側に移された映像。
きょうは人の動きは、屋上の人の動きは見えない。さっきあった雲が今はどこかに消えていってしまっていた。

そこで再び思い出した監視カメラのこと。

そしてなんでだろう。東電の映像のクレジット。「ふくいちライブカメラ」。
「ふくいち」という平仮名、なんだか“愛称”のようにも読めるのだが。

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  ロシアがウクライナに侵攻し、またも多くの市民、日常が奪われて行く。 ウクライナという言葉、キエフという言葉、チェルノブイリ・・・。 そう、あの最大の原発事故を起こした地名の幾つか。 「チェルノブイリ原発事故」。1986年4月26日。 ウクライナの北部にあるその...