2012年10月3日水曜日

忘れられた人々・・・もう一つの“無人地帯”

時間がある時、「ふくいちライブカメラ」を見ている。1F,東京電力福島第一発電所のライブ映像。
これまで1号機の側から映されていた映像が、4号機側に変わった。8月から。

きょうの映像。雨・・・。レンズに雨粒があたり、視界を閉ざす。そらは鉛色。

目に入るのは破壊された4号機の一部分の映像。排気筒なのか、空に伸びた煙突、そして巨大なクレーン。引きも寄りもしない固定カメラが映す映像には動く人の姿は見えない。動いているのは雲だけ・・・。そこでは常時2,000人と言われる人達が働いているのに、その姿は見えない。

そう、そこは、もう一つの“無人地帯”だと。

またまた台風が来ているという予報あり。大過なく行きすぎてくれればいいのだが。
数日前、東北地方を縦断した大型台風。この時はさすが、気持ち悪かった。
屋根の無くなった4号機。その中にある燃料棒。3号機でクレーンが落下物事故を起こしたばかり。もし、あのクレーンが倒れたら、壁が吹き飛ばされたら、汚染水があふれ出したら・・・と。

かりそめの“収束宣言”、偽計の“収束”。
避難民のことはもとより、事故現場に収束という言葉は当てはまらない。
すべてが進行中だとしか。

NHKだけが伝えていた。簡単に。台風ニュースの一環で。配管をロープでしばる作業をしています。クレーンを補強しています。徹夜で見回りを強化しています。

民放は伝えない。伝えるのは電車が止まった。帰宅の足が奪われた。空の便がどうした・・・。

もちろん、それは無いと信じたいが、もし、竜巻が襲ったらどうなる。4号機の燃料棒が巻きあげられたらどうなる。冷却装置が破壊されたら他の号機はどうなる・・・。危惧の念は増幅する。そんな夜があった。

たぶん、あの夜、多くの作業員が1Fの構内で徹夜を強いられていたのだと思う。

その構内では、酷暑の夏も防護服に身を固めた作業員たちが働いていた。しのぎやすい気候になった。作業ははかどっているのか。やがて、また、雪の降る、風が舞う冬を迎える。また台風の予想がある・・・。

「東京」のテレビにとって、東京の新聞にとって、おおかたは、そこはもはや“無人地帯”とされているのかもしれない。

「うちの息子は1Fに行っている。たまにしか帰ってこない。俺が“原発を停める”と言って出ていった。しょうがない、原発にはお世話になったからな」。避難してきている親が話す。使命感に燃えた人なのかもしれない。

使命感を持った人、金を稼ぎたい人、いや稼がねばならない人、もろもろ。
1Fでは毎日千人以上の多くの人が、被曝線量を気にしながら働いている。

そのことを、福島県人とて時々は忘れる。家族や関係者以外は。

忘れられた人達。・・・なのかもしれない。

線量計をつけていなかった。労働条件が過酷すぎる。役所の「視点」でマスコミはその時だけは騒ぐ。
暴力団が入っている。警察の視点でマスコミは問題視する。ピンハネが暴力団の資金源になっているからと。

いいじゃないか。あそこは“無法地帯”なのだ。平時の原発じゃない。いつどうなるかわからないところなのだ。そこに何千人もの人を投入しないと、なにも片付かないのだ。

既成の法体系であの現場を語ることは無意味なのだ。

去年の5月頃だったか。支援に向かう自衛隊や警察車両に「ありがとう」という紙を掲げて見送っていた福島県の小さい姉弟がいた。嬉しかった。

重い責務を負って働いている原発作業員。彼らに「ごくろうさん」と声をかけてあげる人がどれくらいいるのだろうか。「東電は悪」という一言の中に彼らも含まれていないのだろうか。
ローカルのニュースでやっていた。楢葉町の施設が改修工事をして、原発作業員の宿舎にすると。きちんとした食事も提供すると。

楢葉町サイクリングターミナル。それがその施設。映像で見ると立派な施設だった。もしかしたら「東電のカネ」で建てられたものかもしれないが・・・。

きのうは2Fの4号機で、使用済み核燃料の冷却プールへの移動の模様が公開された。2時間の取材。終わって計った線量計の数値は「ゼロ」。

記者は書いている。ホールボディーカウンターも異常はなかった。それでも建屋の外に出て、空を見上げると体の力が抜けていくのを感じた。と。

正直者だな、しかし、バカだ。行った先は2Fだよ。損傷して無いところだよ。
1Fじゃないのだよ。
1Fでは同じ人間が線量浴びながら働いているんだよ。2時間じゃないのだよ。連日だよ。

マスコミもすでにして“傍観者”になっているようだ。

“忘れられた人達”を忘れたままでいいのか・・・。

相変わらずふくいちライブカメラには人影は映り込んでこない・・・。雨粒は激しさを増しているようにも見える。

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