今年の流行語大賞の候補に「なりすまし」っていうのが上がるかもしれない。
今朝、自宅のパソコンを開けたら、見知らぬメールが。
「私はどこそこのなになにです。あなたにどこそこから送られたメールが配信されませんでした。確認するには下記のアドレスに空メールを・・・」。
あきらかにおかしい。それよりも、なぜ俺のメールアドレスを知っている?
確かに、“正直者”、いや、“バカ者”かもしれない亭主は、フェイスブックにはアドレス載せている。それが持っていかれたのか・・・。
よくわからないけどとにかく削除。
最近、ウイルスで誰彼かまわず感染させ、感染させられた人のメールアドレスを使って“遠隔操作”で、爆破するとか、殺人事件をおこすとかのメールを送りつけ、その感染させられた人が逮捕され、真相が判明して釈放されたという話題が。
警察も大変だ。もし、まともに、ネットに精通した捜査官がいなかったら、その人は“えん罪”を被ることになる。
もはや警察は、地どり、聞き込みの地道の捜査をやってる場合じゃない。ネットに精通した警察官を、専従者を、もっと増やさなくてはならない時代になった。
これを「なりすまし」って言うのらしいが。ウイルスを送り付けた、感染させた「犯人」は特定出来ないのだろうか。当然捜査の対象になっているとは思うけど。
この事件を契機に、この「なりすまし犯」はたぶん、どんどん出てくると思う。
愉快犯であり、自分の“技能、技術”の成果が現れたのだから。
ネットの闇。そんな一言では片付けられないネット社会。それに大方が依存している現代。
なりすまし。ツイターの世界にも多い。きのう、ノーベル賞受賞した山中教授の「ノーベル賞来た~~~」っていうツイートが拡散された。亭主もそれを見ましたよ。なんか気分は良くなかった・・。やがてそれがなりすましだったことが判明する。なぜか。彼はツイッターをやっていなかったことが分かったから。
「来た~~~」。こんなツイートをする人だとなれば、その人の“人格”へも影響しかねない。
「バカがいるもんだ」。そう一笑にふして収まるものでもないだろう。
まさに愉快犯のなりすまし。
ツイッターの世界では、基本的に匿名。どこのだれだか、普通の人ではわからない。「福島から母子で避難してきています。夫とも離れ、生活は悲惨です。でも、あの汚染された故郷福島には帰りたくない」。こんな書きこみがある。もちろん匿名。それが引用される。それも匿名。「勝手に避難しておいて、福島に風評被害を及ぼすことはやめてください。あなたは屑です」と言った類のツィーと。逆に「そんな母子の真実の叫びを聞け!」との引用ツイートも。それも匿名。
この人達も、そういう意味では「なりすまし」。福島県人のなりすまし。たぶん、“拡散”されることだけが生き甲斐の奴ら。
なりすまし社会なんだな・・・。振り込め詐欺も、暴力団の「不正受給」も。いやいや、もっともっと。
チャットというのが全盛だった時代。わずか5年か10年まえだけど、男が女になりすまし、“色仕掛け”での悪だくみってのもあったな。
「なりすまし」が、「水すまし」のように、ネットという潮流の中をすいすい泳いでいるおかしな社会。
2チャンネルというこれまた奇異な世界。それにはまり込んで、匿名の、偽名の書き込みやコメント、それもとてもじゃないが耐えがたい汚い言葉の羅列。それに興味を示す暇人のなんと多いことか。
亡国のイージスじゃないな、亡国のインターネットだ。
「あのね、お母さんだけど、さっきメール送ったけど届いているかどうか心配で・・」。「ちゃんと見たわよ、なんでわざわざ電話するの」。商品名は覚えてないけど、そんなコマーシャルが、このなりすまし社会を痛切に批判しているような気がして。