2012年10月31日水曜日

「それ行けスマート」

むか~し、テレビが各家庭に行き渡った頃、ゴールデンタイムのテレビの番組の主流は主としてアメリカの番組、ドラマだった。

ララミー牧場、アンタッチャブル、スパイ大作戦、拳銃無宿、西部劇・・・。
ほのぼのとした番組は、奥さまは魔女。

そんな中に、コメディー風なスパイ物があった。「それ行けスマート」。スマート君とは主人公の名前。たとえば靴の底に無線機器を忍ばせてみたいな、今を“彷彿”とさせるような仕立てもあった。
原題は「et  mart」。

主人公の名前がなんで「スマート」だったのか。

その頃、日本にも「スマート」という言葉が横行していた。
「あの人はスマートだね」「もっとスマートに行こうや」などなど。
その「スマート」の意味は「からだつきや物の形が細くすらりとして恰好がよいさま」「身なりや動作などが洗練されて粋なさま。颯爽」。古い辞書にはこう記されている。

ハンサムなどという言葉も流行っていた。今で言いう「イケメン」か。

いつの頃からか、まだ数年だ。携帯電話はスマートフォン、スマフォ、スマホが主流を占めるようになった。英語ではsmart phone。パソコンの機能などを持たせた、「多機能携帯」と言われる。

この“端末”のスマート、それは「賢い」という意味だそうだ。たしかにお利口さんであり、便利なもの。・・とされる。

同じ原語の英語でも、なんで訳が違うのだろう。

ボクがスマフォを手にしたのが3年前くらう。若者に刺激され、あげくツイッターなるものやりたかったから。
ツイッターのタイムラインに乗せられる言葉は2・11前と3.11後では大きく変わった。
そして羅列される決して、前者の意味のスマートでない言葉の数々。うんざりするきらいの。
賢い機械が運んでくる、賢くない、お利口でない言葉の数々。

ドコモで言えば、アンテナ引っ張り出してのムーバ懐かしの携帯電話。携帯ストラップがファッション化してた頃。そしてフォーマの時代。懐かしい二つ折の携帯電話機。

スマフォではストラップに変わって、デコなんとかいうビーズみたいなもので飾り立てたものが女性の一種のファッションだとか。


スマフォが家電機器を動かし、車を動かし、スマフォに支配されていく世の中。画像もナビも検索も。
スマフォに検索機能がついたことで、いやもっとも以前からもあるにはあったが、なんでもそのスマフォ一台持っていれば、目が良い限りは片が付く。

検索あることによって、ネットで全てが解決され、そこに並んだ言葉を刷り込まれ、自分の言葉と勘違いし始め、考えることをやめてしまった。

さっきもニュースでやっていた。スマフォのアプリをダウンロードすることで、不正アクセスを許し、犯罪を生じさせていると。

そして世に登場して来たのが、原発事故後の節電が言われる中での「スマートグリッド」。通信、制御装置をもった電力網。

スマフォを応用して車を止めることも出来るとか。運転制御が出来るとか。
昔の交通標語。「飛び出すな、車は急に止まらない」。もはや死語かも。「飛び出せよ、車はスマフォが止められる」かな。

昨夜、いきなり車が止まった。エンジンが始動しなくなった。セルモーター周りの不具合らしい。持っている古いスマフォで車のディーラーさんとJAFを呼んで・・・。
なんか格好悪かったなぁ・・・・。

“チェルノブイリ”異聞

  ロシアがウクライナに侵攻し、またも多くの市民、日常が奪われて行く。 ウクライナという言葉、キエフという言葉、チェルノブイリ・・・。 そう、あの最大の原発事故を起こした地名の幾つか。 「チェルノブイリ原発事故」。1986年4月26日。 ウクライナの北部にあるその...