あの日から3年半だ。節目にならない節目の日と言おうか。
石の上にも3年という諺の類がある。冷たい石も3年も座っていれば暖かくなるということ、どんなに辛くても苦しくても辛抱すれば報われるということだそうだ。
我々は「冷たい石」に3年以上、座り続けている。いささかアイロニー的な言い方だが。3年半、石は暖かくなったか。なっていない。
避難者は24万人を超える。
東北3県、仮設暮らしの人は9万人弱だ。福島、いわきの仮設ではまた自死者が出た。楢葉の人。精神的に完全に追い詰められていたとのこと。87歳女性。
原発事故関連死、1,118人に上るという。死なずに済んだ命。
仮設によっては、老朽化が進む。プレハブ仮設。雨漏りはする、壁が腐敗する。虫食いだらけの家で、薬を飲みながらの生活。
心身ともに病んでくる。
三陸の仮設では、“立ち退き”“移動”の話しも出てきた。
復興住宅建設は進まない。
仮設の中で、新しいコミュニティーが出来る。復興住宅への移住に逡巡する人もいる。
津波で被災して人には、「補償、賠償」は無いはず。
健康で文化的な最低限度の生活の権利。憲法で明記されているにも関わらず。
川内原発は「再稼働」に向けて動く。あの日から4年目で、再稼働ということになりそうだ。
鹿児島県にしても当該自治体にしても、「住民説明」を始めると言う。
行政の側は「再稼働歓迎」だ。
テレビが住民のインタビューをやる。
「地元が潤うなら、恩恵を受けるはずだから賛成です」と答える人も少なくない。
この意見を一概に排除できない。そうなのだから。福島県が、双葉郡の歴史がそうだったのだから。
おおかた、原発は過疎地を狙い撃ちにしたように作られる。わざと過疎にしたとまでは言わないが。
日本の社会の宿命的構造。
国が、専門家集団の規制委が「安全」だと言えば、自分の中にあった“1%の不安感”は自分の中で押し殺す。無かったものにする。
事故が起きる懸念は排除する。今の、明日の生活の為に。
双葉郡も潤ってきた。原発マネーで、人が集まってくるということで。人の往来は一過性だ。マネーには「からくり」がある。
潤っていた双葉郡も、やがて財政はひっ迫してきていた。新たな原発建設に触手を動かしていた。
一旦、事故が起きれば元の木阿弥。流浪の民になる。それが無いと信じられるかどうかだ。
「被災者としての支援」という考え方がある。
原発被災者は、可能ならば、川内に出向き、自らの体験を語ってくることも必要なのではないか。「もしかしたらあなた達も」と。
経済再生担当大臣は言った。「地球温暖化、原発ゼロによりCO2の排出が増加して、デング熱が発生した。巨額の国富が失われた」と。
国富とは何か。さまざまな角度から考え直す機会なのだけど、今は。
3年半・・・。重い。ひたすら重い。
2014年9月11日木曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
年の終わりと年の始まりと
2020年が終わり、2021年が始まります。 今年はコロナに始まり、政治家は自分の言葉を持たないことを実感しました、首相は紙を読むだけの“操り人形”に過ぎないことが明らかにされました。 コロナ禍が浮き彫りにしたのは「政治家は最悪」という事実です。 安倍は「...

-
1945年6月6日。沖縄根拠地隊司令官の太田實中将は本土の海軍次官に宛て打電した。 “本職の知れる範囲に於いては、県民は青壮年の全部を防衛召集に捧げ、残る老幼婦女子のみが、相次ぐ砲爆撃に家屋と財産の全部を焼却せられ、僅かに身を以って軍の作戦に差し支えなき場所の小防空壕に避難、...
-
東日本大震災から8年だ。毎年考えて来たのが「復興」という言葉、その事象。 未だもって、「復興」を言う言葉には“わだかまり”があり、自分の中で“消化”されていない。納得できる“回答”を持っていないのだ。 今も「3・11」は続いている・・・。 勤労統計の“偽装”は、この国の根...
-
昔、佐藤栄作が内閣総理大臣だった時、官房長官をつとめていた人に橋本登美三郎という人がいた。富ヶ谷に大きな家を構えていた。 富さんという愛称で呼ばれていた。茨城県選出の議員。もともとは朝日新聞記者。南京支局長の経歴もある。 富さんの後援会は「西湖会」と言った。富さんは朝日新聞...

0 件のコメント:
コメントを投稿