2014年9月9日火曜日

「アンダーコントロール」を巡る雑感

テニスの錦織圭、残念な結果に終わった。報道によれば、体調が万全ではなかったらしい。体調が完全にコントロールされていなかったとのこと。
それが結果となって表れたということ。

コントロール・・・。

東京オリンピックを招致するために安倍は言った。
「福島第一原発はアンダーコントロールされている」と。嘘だ。一例をあげてもそうだ。今もって、放出目標値の10倍を超える汚染水が港湾に流出している。
汚染された地下水の流出。高濃度汚染水のたまったトレンチからの漏れ。

この半年でも2兆㏃の汚染水が港湾内に流出しているのだ。

建屋のカバーを外せば、放射性物質が飛散する。していた。している。
でも、カバーを外さないことには作業は進まない。

作業員の人数は増えている。しかし、寄せ集めの感ありだ。

経済産業大臣になった小渕優子が視察した。
「全体としてアンダーコントロールされている」と言った。
だいいち、数時間見て回って説明を聞いて、よくもまあ、そんなことが言えたもんだと。

全ては野田政権時、収束宣言を出した政治判断に行きつくのだが。

小渕までが安倍の使った言葉に追従する。笑っちゃいけないことだけど笑える。

なぜこの子がもてはやされるのか。わからない。政治家の劣化、人材の無さ、人気取りに走る政治の有り様の結実か。

どうでもいいことだが、彼女の父親とはそこそこ知己の仲だった。弁舌は爽やかでは無かった。早稲田の雄弁会出身と言う割には。
人柄はすこぶる良かった。
彼女に怒りをぶつけてもはじまるまい。所詮はその程度の“政治家”なのだから。

本心でそう思ったのなら、見るべきものを見ていない。知るべきことを知ろうとしていない。そう言わざるを得ない。

今後も続くであろう、政治と原発事故現場との認識。

例えば三陸の海岸。見える範囲の“復興”は遅まきながらも進んでいる。道路は整備された。瓦礫の山は無くなった。

それをして“復興”と言えるのか。海の中を見よ。
そこには2千人を超える不明者が沈黙のままいるはずだ。
多くの日常にあった品々が海底に残されたままだ。
海の中は「あの日」のままなのだ。

目先の光景をみて判断するのは滑稽なのだ。

福島の海を見ずして、その実情を知らずして、事故の帰趨について語る勿れだ。

コントロール・・・。

人類は核をコントロール出来ない。その教訓を学んだはずなのに。いったん事故を起こせばコントロール出来ないことは分かったはずなのに。

事故を起こすという前提があるから、避難計画が必須になるのだ。規制委員会は「条件では無い」とほざいているが。

安倍がコントロール出来ているのは、追従する自民党の議員だけだ。“政敵”とされていた石破もコントロール下に置かれた。
マスコミの大半もコントロール下だ。財界も然りだ。

権力は権力をコントロール出来るのかもしれないが。

人間、自分の感情をコントロールするのは難しい。出来ない。自分のことであっても。

蠅が一匹事務所に入り込んできた。捕まえられない。コントロール出来ない。たかが蠅一匹と雖も。

デング熱を“媒介”する蚊だって、コントロール出来ない。

小渕君の娘をいじめる気はないが、アンダーコントロールされていると言ったのなら、すかさず、1Fだけのことでは無くて、「核」もコントロール出来るとお考えですかって質問浴びせる記者がいてもよかったのになと。

満月のせいか。なぜか吠えてしまった。“オオカミ老人けん”が。20年以上前は「うさぎ」ってあだ名もらっていたんだけどな。

“チェルノブイリ”異聞

  ロシアがウクライナに侵攻し、またも多くの市民、日常が奪われて行く。 ウクライナという言葉、キエフという言葉、チェルノブイリ・・・。 そう、あの最大の原発事故を起こした地名の幾つか。 「チェルノブイリ原発事故」。1986年4月26日。 ウクライナの北部にあるその...