2014年9月28日日曜日

山が抜けた。山が動いた。

130年以上も前か。1888年、明治21年、福島県の磐梯山が水蒸気爆発を起こし、爆発は繰り返され、死者は4百人を超えた。
爆発によって山が割れた。山が抜けた。
表磐梯と裏磐梯という二つの山のようになった。

山岳信仰の場であった。徳一が建立したという慧日寺があった。
火山性微動が繰り替えされていたというが、その予兆には当時の科学では気付かなかった。

御嶽山が爆発した。衝撃的事実。被害の全容は、まだ明らかになっていない。
救助だってままならない。爆発は続いている。30人以上が心肺停止状態だとも言う。

水蒸気爆発、山岳信仰の場。
火山性微動の予兆は気象庁は確認していた。でも「まさか」が優先されたのか。
入山規制などの措置はとられていなかった。

マグマは動くのか。

日本は言わずと知れた火山列島。富士山だって、爆発の可能性が言われている。
福島県内でも吾妻山、安達太良山。再び磐梯山・・・可能性はある。

地震にしても、噴火にしても、英知を集めたはずの予知連絡会というのがある。
続発していた火山性微動、火山性地震。波形がそれをとらえているのに、「予知」はままならなかった。

自然の為せるわざ。科学の限界。

御嶽山に上る煙を捉えた映像は、1Fの2号機、3号機の爆発時を思い起させる。

なぜか、御嶽山の爆発を伝えるメディアは、鹿児島の火山についてほとんど触れない。大きく扱っていたのは東京新聞くらいか。

桜島の灰に悩まされ続けている鹿児島県民は、御嶽山の映像を見て何を感じたのだろうか。

川内原発再稼働にあたり指摘されていた火山の“宝庫”。川内付近の火山群。
マグマの変動による大爆発が起き、火砕流が今の原発周辺にまで到達していたという過去の「事実」がある。


再稼働の条件としての火山の爆発予測。規制委員会も「事前に爆発の予測は出来る。だから、核燃料は取り出せる」なんていうことを言っていた。

予測が出来ないことを御嶽山は如実に示した。文字通り「他山」の出来事では無いはずだ。

御嶽山は再稼働議論に影響を与えることは無いのか。

マスコミという名の「山」は、沈黙してしまっているようにすら思えるのだが。

再稼働に動く政権は、ここはここ、あそこはあそことしらを切るのだろうか。
かつて、自民党の永久政権と思われていた頃、自民党は敗れた時がある。

当時の社会党の委員長だった土井たか子さんが亡くなった。激動の政治史を知る人の一人。土井さんの名セリフは「山が動いた」。

動いた山の余波は、政治の劣化へと繋がっていっているかのような。

磐梯山破裂の要因の一つが、温泉による地質の風化、劣化だったとも言われる。

同次元で語るべきことではないものの、どこか、今の時代を物語っているような気さえして。

などでも言うべきだ。日本は火山列島なのだと。そして、海の向こうの国でも火山の爆発が伝えられているということ。

地球の問題なのかもしれない・・・。

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