瓦礫、瓦礫。この国には次々とガレキが生まれる。あの戦後が国中爆撃や火災によるガレキの山だったように。今もまたガレキが・・・。
自然災害がもたらした瓦礫。裏山の土砂崩れで倒壊した家屋。川の氾濫で流された家や橋。あげく鉄橋まで。
台風12号も多くの瓦礫を作った。壊れてしまえば言葉では「瓦礫」としか呼べない。しかし、数時間前まで、いや、直前まで、そこに人々の営みがあったことを思うと「瓦礫」という二文字で呼ぶのは余りにも辛い。
東日本大震災、原発事故。多くの瓦礫を生んだ。このガレキについてはメディアはたぶんまだ報道し続けるであろう。
特に原発に関する「瓦礫」については。なぜなならそれは列島各地に処分の在り方含め、影響を与えるものだから。
台風、水害にあった被災地。瓦礫。いつまで報道の対象になるのか。すでにして、先般の新潟・福島大豪雨での被害は報道されなくなった。あの寸断され、線路が垂れ下がっていた鉄道。今はどうしているのか、どうなっているのか。
誰もどこも伝えてくれない。今回の和歌山、三重、関西でもそうだろう。数日すればニュースでなくなる。
震災、原発事故が生んだ瓦礫問題。とくに原発。事故直後は「福島のためになんかしよう。避難地域のためになんかしよう」。そんな機運が盛り上がっていた。
半年を迎える今はー。瓦礫の焼却処分に県内でさえ反対の声があがる。細野原発担当大臣は「最終処分場は福島県にしない」と“明言”するが、中間貯蔵は県内だ。多分、今となっては県外持ち出しは不可能であろう。
目に見えない妖怪のような物への嫌悪感、恐怖感が満ち満ちている。
同じ日本という国土の中にあって、多少なりともリスクがあるとされるものは拒む。同じ国民として「シェア」するという思想は無くなった。
物体としての瓦礫だけではない。精神的瓦礫が生まれてしまった。精神の瓦礫が広がってしまった。現実のものとなった。
新聞にあった投稿。
「見つけても放射線出す一枚の家族写真も持ち出せぬ友」。
全てを政治が解決できるわけではない。“差別”という感情は、政治では解決出来ない。
差別という名のこころの汚染がさらに広がっていくような。秋風とともに。秋風に乗って・・・。
2011年9月5日月曜日
“チェルノブイリ”異聞
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