2011年9月8日木曜日

「水」について

台風12号、いまだ爪痕くっきり。テレビで見ていたあの濁流。濁流。大雨。空から水が落ちてくる。川を濁流に変えるだけでなく、山林をも根こそぎ崩落させる水の力。

孤立した集落。やっと避難所に行った人たち。かろうじて我が家にとどまれた人達。ライフライン完全にストップ。

被災者は口々に言う。「大津波のようだ」と。水がもたらした大災害。水は怖い。
そして雨が止み、ホッとしたときに口に出る言葉。「水が飲みたい、水が欲しい」。

東日本大震災から間もなく半年。あの巨大な津波の映像がまた・・・。逃げるしか抗しようのない水。全てを根こそぎ持って行ってしまう水。

避難所に一番最初に届けられたのは水だった・・・。

人は、いや生き物は、水が無ければ生きては行けない。数滴の水が山の遭難者の命を救ったこともある。

そして、いったん荒れ狂った水は人の命を奪って行く。

水、水、水・・・。地球は水で覆われている。

母親の胎内も羊水という水。

原発事故も水が、冷却水が出るか出なかったかによって事故の帰趨を変えた。機械の操作含め、水が出なかったことが大きな原因の一つ。

3・11直後、人々が探し求め、買いに走ったのも水。水の争奪。そう、田畑に必要なのも水。だから昔はよくあった「水争い」。水をめぐる村八分。

水が無ければ生きてはいけない。水によって命を、生活を奪われる。

放射能の除染作業に使われるのも水。原発収束のカギも冷却水という水。その原発事故現場を野田首相が視察。
作業員や自衛隊の士気を鼓舞。そして除染に向けた思いを巡らすとか。

とりあえず船出の野田政権。水にまつわる一文を送る。貞観政要から抜く。

「君は舟なり、人は水なり。水は能く舟を載せ、また、能く舟を覆す」。

なんにしても決してあなどれないもの。それは水かと。

“チェルノブイリ”異聞

  ロシアがウクライナに侵攻し、またも多くの市民、日常が奪われて行く。 ウクライナという言葉、キエフという言葉、チェルノブイリ・・・。 そう、あの最大の原発事故を起こした地名の幾つか。 「チェルノブイリ原発事故」。1986年4月26日。 ウクライナの北部にあるその...