2011年9月25日日曜日

沖縄と福島と

野田総理が訪米から帰国した。お土産を持って帰って来たというより、多くの課題を背負わされて。

オバマには沖縄の米軍基地問題で、かなりきつく言われたらしい。とにかく沖縄の米軍基地、普天間の移転問題は、それこそ「凍結状態」だった。
野田訪米と時を同じくして訪米していた沖縄県知事は、あらためてはっきり言っている。基地を県外へと。

政府の考えの中には辺野古移転、普天間固定、その他沖縄県内への分散。県外移転という考えは皆無。

仮に県外と言ったら、どこかの候補地でもあげようものならその県は絶対に反対するにきまっている。すでに基地がある横田だって三沢だって。

日米安保条約によって、日本を守るという建前の米軍基地。もはや。それの持つリスクを国民で共有するという考えは国民の中には無い。沖縄の基地は沖縄の中で。隔離である。

フクシマ問題。放射能で汚染されたものや、今、これしかないと言われている除染。土を含めて“放射線廃棄物”の貯蔵施設はどうする。最終処分場は国が責任を持つと菅は言った。いつまでに結論を出すのか。何にも言ってないし、誰も多分考えていないだろう。何十年先の話としてほっておかれる。仮置き場や中間貯蔵施設は県内だと明言された。

薪や市場や花火のことを持ち出すつもりはないが、最終処分場を県外へという話は現実成り立たない。沖縄と同じ言ように、のらりくらりと先送りされて、遠い未来、福島は廃棄物の貯蔵場となる。

福島隔離政策。政策と言うより国民感情。半永久的避難民の処遇は、もしかしたら、どこかに引き受けるところがあるやもしれない。どこかの土地に第二の「福島」が生まれるかもしれない。

除染の最大の方途は、いまのところ表土を剥ぐことだという。その土を何処に持っていくか。県内でも受け入れるところはあるまい。
そこで出たものはそこに留め置く。ケースは違うが福島の沖縄化である。

野田は「福島の再生なくして日本の再生は無い」と断言した。沖縄と福島と。彼はどうさばくのだろうか。

汚染米が出た場合、出荷出来ないその米はどう「処分」されるのだろうか。

気の遠くなるような話が、まだまだ続く。

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