児童や教職員79人が津波に流され、5人が行方不明のままの宮城県石巻市の大川小学校。
そこを卒業した子供。卒業式の後。校舎に向かって誓った。「警察官になります」と。
彼は母親と妹、祖父を津波で失った。「失われた命」を体感した。そしてきっと見たからだろう。不明者の捜索や救助、町の復旧にあたる警察官の姿を。
警察官になるために中学校では柔道部に入りつもりだ。悪いことをする人達、犯罪をする人達に命の大切さを知ってもらいたいからー彼は、そう“志望動機”を語っているという。
我々は見た、知った。被災地や原発現場で事に当たる多くの警察官や消防士、そして自衛隊員の姿を。米軍のトモダチ作戦の姿を。彼らの姿は「美しかった」。それが任務であり、使命であり、仕事であったとしても。
被災地の子供たちに増えているという。大きくなったら自衛隊員になりたい、消防士になりたい、警察官になりたいという子たちが。
「人のために役に立てる仕事につきたいから」「世の中の役に立ちたいから」。それが彼らの体験を通して生まれた“未来”。
震災を体験して、さまざまな経験をして、生かされたという思いを持った子供たちが決めた将来。震災は、子供たちを確実に変えた。何も変わっていなかったのではなかった。子供たちは変わった。
なんとか塾とか、なんとかという集まりでは、しきりに「利他の心」とやらを説く。決して悪いことではないが、説かれなくても、塾に入らなくても、子供たちは分かっている。「人のために役立ちたい」ということを。
「警察官になりたい」。そう願った子供の心を踏みにじっている警察官がいる。己の“欲望”を果たすために、職務を“放棄”し、温泉旅行に出かけ、使命感のかけらも持ち合わせずに怠慢行為をした警察官。殺されなくてもいい命を救うこともせずに、みすみすストーカー殺人を起こさせてしまった警察官達。それを組織的隠ぺいを図っていた警察。
遺族は言うかもしれない。子供たちに。「警察官にはなるな」と。
千葉県警習志野警察署。関係者は”犯罪者“だ。職を辞し、石巻に行け。そして、警察官になりたいと誓った子供の前で土下座して詫びろ。子供の志を、立志を傷つけたその所業の代償はあまりにも大きいのだ。
郡山に金透小学校という学校がある。そこの校歌は一番だけしかない。そして、校歌に題名がある。「立志」。その歌詞。
立てし心し 変わらずば石に立つ矢も ありというつとめはげみて ひろき世のまことの人と うたわれん
石巻小学校卒業生。只野哲也くん。君が「まことの人とうたわれん」ことを願う。
2012年3月26日月曜日
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