ゴールデンウイークです。皆さまどちらかにおでかけですか。
泊りがけで。人出のニュースあったり、大事故のニュースあったり・・・。
たまたまツイッターを見てて。ちょっとだけ知り合いの方なのですが。こんなことを「つぶやいて」いたので、それにつられて一言。
その人のツイート引用させていただきます。
「観光復興の支援があっても、結局は関係者の努力次第だと思う。頑張っている地域や、工夫を凝らしている旅館にお客さんは集まるだろう。確かに支援はありがたい。でも最後は自分たちの努力と工夫」。
過日、こんな“経験”をしました。知り合い4人が、高校時代の同級生同士らしいんですが、もう60代後半。仲良しが集まって旅行しようということになり、「どうせなら福島行こうよ」という結論。旅行代理店を通して新幹線代、旅館代込みのクーポン券を買って。
選ばれた旅館は岳温泉の有名旅館。在来線の二本松駅で降りて旅館差し回しのバスに。
「バスの運転手さんは、何を聞いても問いかけてもほとんど無言だった」。その人たちの話ですが。旅館に着いても荷物を持ちに出迎える人とてなく。玄関でチェックイン。通された部屋は寒く。そうまだ寒かった時。
食事は部屋。内容は・・・おいしくなかった。
朝、チェックアウトは10時のはずなのに。9時には「布団片付けます」って。
10時にチェックアウト。見送り無し。よく見かけるおかみさんや従業員がバスに手をふるって光景無し。バスはまた無言で駅到着てな具合だったとか。
出迎えに行った郡山駅で、この話の一部始終を聞かされました。
その旅館の女将。女将の会などを結成し、風評被害なんとやらってテレビにも登場している人。ローカル局だけど。どんな人かは亭主も知っている。以前から。
宿帳見れば、旅行代理店からの手配みれば東京から来た観光客だということはわかるはず。女将、まずは挨拶に出向くべき。「わざわざ、風評もいろいろある中、お越しくださってありがとうございます」。そんな挨拶の一つも出来ない、しない。その旅館の眼の前にある土産物屋さんでも、なんだかぞんざいな接客受けたとか。
被害者になりきってしまっているのかどうか。察するに「おもてなし」の心皆無かと。これじゃどうやってもリピーターにはならない。
「までいの心」が見られない。福島県民の“誇り”だった。
「被災地であるのに、福島県の人にはこんなに良くして貰った。歓迎してもらった。良いわよ。ふくしまは」。そんな口コミが東京で友達一人にでも伝われば、やがて二人、三人にと広がるはずなのに。
「口コミリテラシー」ってのもあるはずなんだと。
同じような話を、最近、隣のばあちゃんからも聞いた。古い友人と温泉行こうという話になって飯坂温泉へ。同じような扱い、態度だったという。同じ福島県民でもばあちゃんは言った。「もう二度と行かない」って。
マスコミに出て、いや、出されてかな。風評被害、風評被害と言ってもダメ。集客にはならない。口コミの方がよほど大事。その原点を忘れてしまっている。
旧知の磐梯熱海温泉の社長の妹。経営陣の一人。今年の正月、なにかの集まりで会った時、言った。「もう、風評被害、被害って言わないことにした。言ってどうなるものでもないし。後は自分たちが頑張るしかないって決めた」と。
友人のやはり磐梯熱海温泉の社長にこの話をした。彼は困ったような表情で言っていた。
「最初は一人5千円で避難民を受け入れ、その後は自衛隊や機動隊の宿舎。従業員もずいぶん減ったし、減らさざるを得なかった。手が回らないところもあるかもしれないな」と。それはわかる。でもね・・・。
手が回らなくても気は回せる。従業員教育も含めて。
誰が悪いという話ではない。放射能が降ってしまったという事実があるのみ。どう生き延びるか。最後は自分の努力と工夫。ツイッター氏の言うとおりなのだ。この人、もちろん郡山在住。“復興”のために身を粉にして働いている人。
これも、反面から見た福島の現実・・・。メディアの話題にはならない現実。
口コミのリテラシー能力というのも必要かもしれない。いつからか時折登場する「放射脳」という言葉。口コミによって県外避難してしまった母子も多数。
リテラシー。その中の一つにある「見る」ということ。東京で物産展やるよりも、福島に来てもらって、来てくれた人に、この地を、その良さを見ていってもらうことが肝要。
幸いなるかな。亭主の周りには、東京から来てくれる人多々あり。避難所見て、人生観を大きく変えた人もいる。福島の野菜のおいしさに感動して人たちもいる。
見てもらう、感じてもらう「リテラシー」ってのもありかと。
現場を見ずして語るなかれ。マスコミに求められる取材の要諦。先入観持たずに生の声に耳を傾けることも。
そして、「木を見て森」の例えではないけれど、何ベクレルって数字ばかり追いかけて、問題視し、数字だけを見てる。そこに暮らしている人の生活は見てない。見ようともしない。
今更ながら、そんな「数字教条主義的」世情を憂うるのですが・・・。
2012年4月29日日曜日
“チェルノブイリ”異聞
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