2013年8月11日日曜日

「配管がぐじゃぐじゃだ!」

たしか、朝日新聞の連載記事、「プロメテウスの罠」にあったのだと記憶している。
一昨年、3月11日午後2時46分の大地震。
大熊か双葉の、原発近くの住民、主婦の“証言”。

「驚いて表に飛び出し、原発の様子を見に行こうとしていたら、原発の中から知り合いの作業員の人が走って出てきた。その人が言った。ダメだ。配管がぐじゃぐじゃだ。
早く逃げろ」と。

何を言われているのか咄嗟にはわからずに家に戻ろうとしていたら、やがて大きな津波が原発に向かってくるのが見えた」。

そんな内容だった。「え?」と思いながら、その記事のことを失念していた。気になってはいたのだが。

その記事は最近、一か月ほど前の記事だったか。

詳細な内容は、切り抜きもないし、記憶の中、それも突然思い出したものだけど、「配管がぐじゃぐじゃだ」というのはこの記事でしか知った覚えがない。

重要な“証言”だ。津波が来る前に、地震ですでに原発は壊れていた。どの配管かはわからないが“損傷”していた。

原発事故の原因は全電源喪失による冷却不能、炉心溶融とされている。メルトダウン。
今の地下水汚染を聞くと、メルトスルーだ。

津波が追い打ちをかけたし、あらゆる作業を困難にしたことは間違いない。しかしその前に地震で配管が損傷していたということ。

新聞記事になるくらいだから、いや、その記事を見た東電や関係者は、その作業員を特定できているのだろう。たしか記事にあった主婦も実名だった。
誤報、虚報との批判は聞いていない。

東電も保安院も、いろんな事故調も、そのこと、つまり津波の前に地震で大きな被害が出ていたことは知っていたはず。その“資料”や“証言”もあるはず。

今、原発再稼働のカギを握っている規制委員会も知っているはず。

だから、嫌~な気持ちになる。「マネー」や「村」と言った言葉が息を吹き返す。
再稼働の条件は津波対策、防潮堤。
待てよ、菅が浜岡原発をとめたのも、いわば超法規的に止めたのも、地震による損傷を知っていたからではないのかと。

原発再稼働の必須条件。巨大な防潮堤。壮大な“公共事業”だ。

「・・・・・」。

突然思い出したこのこと。真夏の夜の夢じゃない。

津波の前に本体がやられていた。
もし、それが本当だったら、「安全対策」なるものは「振り出しに戻る」じゃないのかと“素人”は考える。

要するに、事故の本当の原因は何もわかっていないということ。原因究明の前に、事故はさらなる問題点を引き起こしている現状。


そう、新潟県知事も言っていた。究明がされてもいないのにと。究明は藪の中で終わってしまうのだろうかとも。

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