2013年8月2日金曜日

安倍と麻生の相似性、いや、政治家全部かな

先日、東京で、かつてもちろん自民党政権の頃、首相官邸の当局者だった人としばらくぶりに会った。さまざな、もちろん政治のことについて話をした。

その人は面白い人物評を語った。安倍について。
「彼はね、心許した人、価値観を共有できる人、歴史観を共有できる人と話してる時が一番幸せそうなんだ。なんでも喋れる相手が。外務省出身ではさしずめ、岡崎久彦というところなんだ。話は尽きなかった」。
「歴史観、価値観、政治感が違う人だと、とたんに目がきょろきょろ動きだし、居心地悪そうにする。そういう人の話もよく聞くが、受け入れているかどうかはわからない」。とも。

なるほどね、お友達内閣と言われた時もそうだったな。妙に納得した次第。

この“逸話”を思い出したのは、ここ数日騒げれている、麻生の「ナチス発言」があったから。

あの発言が飛び出した舞台。国家基本問題研究所のシンポジウム。
居並ぶのは、櫻井よしこ、田久保忠衛、麻生、隣の西村真悟。
いわば気の合った、歴史観含めて“共有”できるものが多い、身内のような会合。

気が緩むと思わず本音が出るのが政治家の常。立場上、建て前だけを言わざるを得ない人は、どっかで“本音”を吐露したくなる。

いわゆる“失言問題”は、大体にして、後援会とか、支持者の集まりとか、仲間内で出てくる。

マスコミにばれる、取り上げられる。お決まりの釈明会見と発言撤回。
麻生の釈明文は本人が書いたものではない。官僚が書いたものをたどたどしく読み上げる。

そのテレビの映像と音声見てて笑ったね。麻生は「真摯」と読んだが、文章には「真意」と書いてあった。
一言だけ、歴史の事実を。ナチス政権下で「ドイツ憲法」は制定されていない。
ワイマール憲法が事実上“執行停止”にされていただけ。
歴史をきちんと把握していない。

昨夜たまたま読んでいた雑誌。「中央公論」。その中の対談で、自民党の伊吹文明までが言っている。安倍首相への「ご意見は」という問いに対して。

「歴史を学んでいただきたいということですね。戦争の実体験が無い総理大臣ですから、活字や一部の“専門家”などの主張に影響されない発言、歴史の素養に裏付けられた発言が大政治家には大切だと思います」。

ワイマール憲法が制定される前、ドイツ帝国の初代宰相だったビスマルクは言っている。
「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」と。わが国でも政治の要諦であり、箴言ともされてきた。

憲法に関して、麻生の祖父、吉田茂の国会答弁にこんなくだりがある。質問者は共産党の野坂参三。

「近年の戦争の多くは国家防衛権の名においておこなわれたることは顕著なる事実であります。故に正当防衛権を認むることが偶々戦争を誘発する所以であると思うのでありま す。正当防衛を認むることそれ自身が有害であると思うのであります」。議場は与野党問わず拍手で湧いたという。

その場しのぎの“憲法観”だったかもしれないが。吉田茂の。

最近、ビスマルクの言葉を僕は否定した。
「賢者は歴史にも、経験にも学ぶ。愚者は双方からも学ばない」と。

麻生発言に関して安倍の反応は聞いていない。すべて官房長官が“代返”している・・・。

「ブラックジョークでしょ」と片付ける“人気政治家”もいる。舌禍事件を起こした人。

原発事故後、無理やり殺処分場に連れていかれる牛たちの涙を見た。それはアウシュビッツに向かう光景に見えた。


強制収容ではないが、行動は自由だが、仮設住宅が、ナチスによる収容所のようにも見えた。それは、ほとんど「国から何もしてもらえない」民だと思えたから・・・。

“チェルノブイリ”異聞

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