2013年8月24日土曜日

色褪せた言葉たち

Fの汚染水問題、拡大する一方。疑問点、問題点、数々あれど、東電の杜撰さは糾弾してもしつくせないが。糾弾しても、何も解決しないという現実。

昨日規制委員会の委員が「視察」。問題点多々あり。まさに「耳を疑う」ような事象の数々。しかし、規制委は「要請」にとどまるのみ。

現場の映像。作業員の人たちの想像を超えるような労苦を思う。

海洋流出が明白になった今、近辺の漁師たちはどうするのか、どうなるのか。
彼らが一様に気にするのは「風評被害」。

「人の噂も75日」ということわざがあった。とてもじゃない、噂が噂を呼び、「根も葉もない」ことまで触れまわられ。

福島県産の日本酒も風評被害なるものさらされている。売上減は甚だしいとか。
「回復」の兆しありとは聞いてはいたが。
東京での展示即売会も組合が共同歩調をとってやっている。テレビがネタにする。悪意はもちろん無いだろうが、それを取り上げること自体が風評のもとになっているような。

諺とは、時には色あせる。

人の噂・・ではない。風評を言いたてる人の心理は「火の無いところに煙は立たぬ」だ。

「安心」、「安全」、「安定」。

原発事故以外でも安全が脅かされていることは多々ある。食品でも化粧品でも。
「安」の付く字への疑念の数々。
安い給料、安い価格。安売り。それらははからずも「是」とされたり「否」とされたり。

原発事故後、福島を訪れた学者さんの決まり文句。「正しく測って正しく怖がろう」。

多少の悪意を持って言わせてもらえば、正しく測るってどうすればいいのか。
年間1ミリシーベルトの持つ意味は。

1ミリを基準に成り立っている「恐怖」

「天災は忘れたころにやってくる」。寺田寅彦の“警句”は、一昨年しきりにももてはやされていたが・・・。すでにして多くのことが忘れ去られている。

「正しく怖がる」とはどういう「怖がり方」?。

言葉だけを放り出しても、ボクの耳には響かない。ね、学者さんたちよ。

「絆」って言葉を旗印に、いろんな人がいろんなことを言い、さっきの「酒」のラベルにもそれがあったりする。

絆っていうのは、ありていに言えば、「お互い様」「相身互い」のはず。

絆を振りかざしながら、「人の不幸は蜜の味」との深層心理のお方たちも。

福島の復興無くして日本の再生は無い。総理大臣さま、何人かが言った。

じゃ、何をした。

汚染水問題は「喫緊の課題」だと言った。東電まかせにせず、政府が前面に出るとも言った。金を出すとも指示した。
喫緊とは“さしせまって大切なこと”って辞書にも書いてある。
言葉だけでは事は進まない。
指示だけでは誰も動かない。本気を出しては。

きのうな吉田昌郎元所長のお別れ会。霊前で言った、誓った言葉を大事にしなければ。

でもね・・・。でもね・・・。

政府の“偉い”お役人さんたちも、それなりに福島県入りしている。一緒に仕事している人は言う。

「何しに来てるのかわからない。楽しようとばかり考えているようだ」と。

「人間、歳をとると丸くなる」と言われてきた。亭主、たしかに歳をとった。
世間一般では「老人」の部類。でも、丸くならない。とんがってばかりいる。

「世の中そういうもんだよ」と訳知り顔で言っているわけにはいかないし。

慎太郎のようにはなりたくないけど、“暴走”するぜ。俺は。

ネットで原発作業員の人が現場を見て、現場を想像して言っていた。
「転ばぬ先の杖」っていうけど、東電は「転んだ後に杖を出している」って。

水の話を「水に流そう」ってわけにはいかないんだぜ。

恥も外聞もかなぐり捨てて、あらゆるところに手助けを頼んだらいかが。


はい、日曜妄語でございます。妄語も色褪せたかな。

“チェルノブイリ”異聞

  ロシアがウクライナに侵攻し、またも多くの市民、日常が奪われて行く。 ウクライナという言葉、キエフという言葉、チェルノブイリ・・・。 そう、あの最大の原発事故を起こした地名の幾つか。 「チェルノブイリ原発事故」。1986年4月26日。 ウクライナの北部にあるその...